銅やマグネシウムを加熱したときの、質量の比が覚えられない…
「銅:酸素=4:1」と「銅:酸化銅=4:5」のどっちを使えばいいのか分からない…
計算問題になると、どこから手をつけていいか分からない…
こういう中2の人に向けて書きました。
結論からいうと、銅と酸素は4:1、マグネシウムと酸素は3:2の質量の比で結びつきます。
この2つの比を覚えて、「化合物の質量=金属の質量+酸素の質量」で考えれば、計算問題は解けます。
化学変化と質量の比とは
金属を加熱すると、空気中の酸素と結びついて酸化物になります。
銅なら酸化銅、マグネシウムなら酸化マグネシウムです。
このとき、金属と結びつく酸素の質量には、金属ごとに決まった割合があります。
これを質量の比といいます。
| 金属 | 化学反応式 | 金属:酸素 | 金属:酸化物 |
|---|---|---|---|
| 銅 | 2Cu + O₂ → 2CuO | 4:1 | 4:5 |
| マグネシウム | 2Mg + O₂ → 2MgO | 3:2 | 3:5 |
どちらの比も、実験で質量をはかって確かめた結果です。
金属の質量をいくら変えても、この比は変わりません。
この比を使うと、金属が何gあれば酸素が何g必要か、酸化物が何gできるか、が計算で分かります。
銅と酸素の質量の比(4:1)
銅を加熱すると質量が増える
銅の粉末をステンレス皿にのせ、加熱します。
加熱のあとに冷ましてから質量をはかり、また加熱する、ということを何回か繰り返します。
すると、黒い酸化銅ができて、質量は少しずつ増えていきます。
そして、あるところから質量が変わらなくなります。
質量が変わらなくなったのは、銅がすべて酸素と結びついて、酸化銅になり終わったからです。
増えた分の質量は、結びついた酸素の質量です。
グラフの読み方
銅の質量と、できた酸化銅の質量の関係をグラフにすると、原点を通る直線になります。
つまり、銅の質量と酸化銅の質量は比例します。

グラフから、銅が4のとき、酸化銅は5になります。
酸化銅から銅を引いた1が、結びついた酸素の質量です。
だから、銅:酸素=4:1、銅:酸化銅=4:5です。
| 銅の質量〔g〕 | 結びついた酸素〔g〕 | 酸化銅の質量〔g〕 |
|---|---|---|
| 0.4 | 0.1 | 0.5 |
| 0.8 | 0.2 | 1.0 |
| 1.2 | 0.3 | 1.5 |
| 1.6 | 0.4 | 2.0 |
例題: 銅1.2gが酸素と結びつくとき
銅1.2gを完全に酸化させると、酸化銅は何gできますか。
また、結びついた酸素は何gですか。
酸素の質量を求めます。
銅:酸素=4:1なので、酸素の質量は 1.2 × 1/4 = 0.3 g です。
酸化銅の質量は、銅と酸素の質量を足して 1.2 + 0.3 = 1.5 g です。
答えは、酸化銅が1.5g、酸素が0.3gです。
マグネシウムと酸素の質量の比(3:2)
マグネシウムも、加熱すると酸素と結びついて、白い酸化マグネシウムになります。
考え方は銅とまったく同じです。

グラフから、マグネシウムが3のとき、酸化マグネシウムは5になります。
差の2が、結びついた酸素の質量です。
だから、マグネシウム:酸素=3:2、マグネシウム:酸化マグネシウム=3:5です。
| マグネシウムの質量〔g〕 | 結びついた酸素〔g〕 | 酸化マグネシウムの質量〔g〕 |
|---|---|---|
| 0.6 | 0.4 | 1.0 |
| 1.2 | 0.8 | 2.0 |
| 1.8 | 1.2 | 3.0 |
| 2.4 | 1.6 | 4.0 |
例題: マグネシウム1.2gが酸素と結びつくとき
マグネシウム1.2gを完全に酸化させると、酸化マグネシウムは何gできますか。
マグネシウム:酸素=3:2なので、酸素の質量は 1.2 × 2/3 = 0.8 g です。
酸化マグネシウムは 1.2 + 0.8 = 2.0 g です。
答えは2.0gです。
銅とマグネシウムの違い
同じ質量の金属で比べると、マグネシウムのほうが結びつく酸素の質量が大きくなります。
例えば1.2gの金属なら、銅は酸素0.3g、マグネシウムは酸素0.8gと結びつきます。
そのため、同じ質量の金属を加熱したとき、マグネシウムのほうが質量の増え方が大きくなります。
比の計算のしかた
質量の比の問題は、次の順で考えると間違えません。
- 問題文が「どの金属」の話かを確かめる(銅なら4:1、マグネシウムなら3:2)
- 分かっている質量が「金属」「酸素」「酸化物」のどれかを確かめる
- 金属と酸素の比から、分からない質量を比例で求める
- 酸化物の質量は、金属の質量と酸素の質量を足して求める
酸化物の質量が分かっている場合は、先に「酸化物:金属」や「酸化物:酸素」の比を使うと速く解けます。
銅なら酸化銅:酸素=5:1、マグネシウムなら酸化マグネシウム:酸素=5:2です。
よくある間違い
「4:1」と「4:5」を取り違える
いちばん多い間違いが、比の取り違えです。
「4:1」は銅と酸素の比で、「4:5」は銅と酸化銅の比です。
問題文で聞かれているのが酸素の質量なのか、酸化物の質量なのかを、先に線を引いて確かめましょう。
酸素の質量を「引き算」で出し忘れる
加熱の前後で質量が増えた分が、結びついた酸素の質量です。
「加熱後の質量−加熱前の質量」で酸素の質量が出るのに、それを使わずに行き詰まる人がよくいます。
グラフの問題でも同じです。
「酸素の質量は、化合物の質量−金属の質量」と覚えておきましょう。
加熱が足りず、金属が残っている
加熱の回数が少ないと、金属の一部が酸素と結びつかないまま残ります。
このときは、金属が全部酸化したわけではないので、そのまま比で計算してはいけません。
増えた質量は酸素の質量なので、まず酸素の質量から、反応した金属の質量を求めます。
練習問題の問4が、この形です。
入試ではこう出る
このテーマは、入試で次のような形で問われます。
- 金属の質量と化合物の質量のグラフを読み、比を自分で求める問題
- 銅とマグネシウムのグラフが同じ図に描かれ、2つを比べる問題
- 加熱が不十分で金属が残る場合に、反応した金属と残った金属の質量を求める問題
- 「質量が増えた理由」を説明する記述問題
次の図は、銅とマグネシウムを加熱したときの、金属の質量と化合物の質量の関係を表したものです。

図の下に「酸素の質量は、化合物の質量−金属の質量」と書いてあるように、グラフから酸素の質量を読み取るのが最初の一歩です。
2本の直線の傾きが違うのは、金属ごとに結びつく酸素の割合が違うからです。
グラフの傾きが大きいマグネシウムのほうが、同じ質量の金属からできる化合物が重くなります。
練習問題
問1 銅2.4gを十分に加熱して、すべて酸化銅にしました。
できた酸化銅は何gですか。
(銅:酸素=4:1)
問2 酸化マグネシウム4.0gに含まれるマグネシウムと酸素は、それぞれ何gですか。
(マグネシウム:酸素=3:2)
問3 入試の図の「金属の質量と化合物の質量」のグラフを見てください。
グラフから、化合物が3.0gできるときの金属の質量は、銅が2.4g、マグネシウムが1.8gと読み取れます。
このとき化合物に含まれる酸素の質量は、銅とマグネシウムでそれぞれ何gですか。
問4 銅の粉末2.0gを加熱したところ、途中で加熱をやめたので、全体の質量が2.3gになりました。
このとき、酸素と結びついた銅は何gですか。
また、結びつかずに残っている銅は何gですか。
問5 銅の粉末を加熱すると、加熱後の質量が増えます。
その理由を、「酸素」という言葉を使って説明しなさい。
解答と解説
問1の答え 3.0g
銅:酸化銅=4:5なので、酸化銅の質量は 2.4 × 5/4 = 3.0 g です。
別の求め方として、酸素は 2.4 × 1/4 = 0.6 g なので、2.4 + 0.6 = 3.0 g でも同じ答えになります。
問2の答え マグネシウム2.4g、酸素1.6g
マグネシウム:酸化マグネシウム=3:5なので、マグネシウムの質量は 4.0 × 3/5 = 2.4 g です。
酸素の質量は、酸化マグネシウムからマグネシウムを引いて 4.0 − 2.4 = 1.6 g です。
確かめると、2.4:1.6=3:2になっています。
問3の答え 銅0.6g、マグネシウム1.2g
酸素の質量は、化合物の質量−金属の質量で求めます。
銅は 3.0 − 2.4 = 0.6 g、マグネシウムは 3.0 − 1.8 = 1.2 g です。
同じ質量の化合物でも、マグネシウムのほうが含まれる酸素が多いことが分かります。
問4の答え 酸素と結びついた銅は1.2g、残っている銅は0.8g
増えた質量が、結びついた酸素の質量です。
2.3 − 2.0 = 0.3 g です。
銅:酸素=4:1なので、結びついた銅は 0.3 × 4 = 1.2 g です。
残っている銅は、はじめの質量から引いて 2.0 − 1.2 = 0.8 g です。
問5の答え 銅が空気中の酸素と結びついて酸化銅になり、結びついた酸素の質量の分だけ、全体の質量が増えるから。
まとめ
- 銅:酸素=4:1、銅:酸化銅=4:5
- マグネシウム:酸素=3:2、マグネシウム:酸化マグネシウム=3:5
- 酸化物の質量=金属の質量+酸素の質量
- 加熱の前後で増えた質量が、結びついた酸素の質量
- 加熱が足りないときは、まず酸素の質量から、反応した金属の質量を求める
この単元は、比さえ覚えてしまえば、あとは比例の計算です。
まずは、銅の4:1と、マグネシウムの3:2を、すぐ言えるようにしておきましょう。
化合や分解の記事も、あわせて読んでおくと、質量の考え方がつながります。


















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