【中2理科】鉄と硫黄の化合(硫化鉄)の実験|加熱前後の性質の違いと質量比7:4

山田優輔

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授業で鉄と硫黄を加熱する実験を習ったけど、加熱の前と後で何が変わったのかごちゃごちゃになる…

  • 磁石につくのか、つかないのか覚えられない
  • 塩酸を加えたとき、どちらから何の気体が出るのか分からない
  • 「鉄と硫黄が7:4」と習ったけど、計算の使い方が分からない

こういう人に向けて書きました。

結論からいうと、鉄と硫黄を混ぜて加熱すると、鉄とも硫黄ともちがう、黒っぽい物質の硫化鉄ができます。

加熱前の混合物は磁石につきますが、加熱後の硫化鉄は磁石につきません。

塩酸を加えると、加熱前はにおいのない水素、加熱後は卵の腐ったようなにおいの硫化水素が出ます。

質量の比は鉄:硫黄=7:4で、化学反応式はFe + S → FeSです。

この記事では、これらを理由つきで説明します。

鉄と硫黄の化合とは

化合とは、2種類以上の物質が結びついて、元とはちがう別の物質ができることです。

鉄と硫黄を混ぜて加熱すると、鉄原子と硫黄原子が結びついて、硫化鉄という新しい物質ができます。

このように、化合でできた物質のことを化合物といいます。

硫化鉄は、鉄と硫黄が結びついてできた化合物です。

「混ぜただけの状態」と「化合した状態」はちがいます。

混ぜただけなら、鉄も硫黄も、それぞれの性質をそのまま持っています。

化合すると、元の物質のどちらとも性質がちがう物質になります。

鉄粉と硫黄の粉末を混ぜた試験管Aを加熱し、同じ混合物を入れた試験管Bは加熱しない実験の図

図のAは混ぜた粉末を加熱した試験管、Bは加熱していない試験管です。

実験では、AとBを比べて、加熱の前後で何が変わったかを調べます。

鉄と硫黄の化合のしくみ

実験の手順

実験は、次の流れで進みます。

  • 鉄粉と硫黄の粉末を混ぜて、試験管A・Bに同じくらいずつ入れる
  • Aだけを加熱する(Bは加熱しない)
  • 反応が始まって赤くなったら、加熱をやめる
  • A・Bに磁石を近づけて、つくかどうかを調べる
  • A・Bに少量のうすい塩酸を加えて、出る気体のにおいを調べる

赤くなったら加熱をやめる理由

この反応は、熱が出る反応です。

いったん反応が始まると、自分で出した熱で、まわりの鉄と硫黄も次々に反応していきます。

だから、赤くなったら加熱をやめても、反応は最後まで進みます。

加熱し続けると、試験管が熱くなりすぎて危ないので、加熱はやめます。

加熱の前と後のちがい

調べること加熱前(混ぜただけ)加熱後(硫化鉄)
色灰色と黄色の粉が混ざっている黒っぽい物質
磁石鉄がつくので、つくつかない
うすい塩酸を加えるにおいのない気体(水素)が出る卵の腐ったようなにおいの気体(硫化水素)が出る

磁石につかなくなったのは、鉄が鉄ではなくなったからです。

塩酸と反応して水素が出るのは鉄の性質で、加熱後には鉄がなくなっているので、水素は出ません。

かわりに出る硫化水素は、硫化鉄と塩酸が反応してできる別の気体です。

硫化水素は有毒なので、においを調べるときは、鼻を近づけずに手であおいで確かめます。

化学反応式と質量の比

鉄と硫黄の化合を化学反応式で表すと、次のようになります。

Fe + S → FeS

鉄原子1個と硫黄原子1個が結びついて、硫化鉄ができます。

左と右で、Feが1個、Sが1個でそろっているので、係数は付けません。

また、過不足なく反応するときの質量の比は、鉄:硫黄=7:4です。

たとえば、鉄7gと硫黄4gがちょうど反応して、硫化鉄が11gできます。

反応の前後で、物質全体の質量は変わりません(質量保存の法則)。

7g + 4g = 11g です。

例題: 鉄14gと硫黄8gを反応させる

鉄14gと硫黄8gを混ぜて加熱したとき、できる硫化鉄は何gでしょうか。

まず、鉄と硫黄の質量の比を調べます。

14:8 = 7:4 なので、ちょうど過不足なく反応します。

だから、できる硫化鉄は 14g + 8g = 22g です。

よくある間違い

間違い① 加熱後も磁石につくと思ってしまう

「鉄が入っているから、磁石につく」と考えるのは間違いです。

加熱後の硫化鉄は、鉄とはちがう物質なので、磁石につきません。

磁石につくかどうかは、「鉄が残っているか」を調べる方法でもあります。

間違い② 加熱前と加熱後の気体を逆に覚える

塩酸を加えて出る気体は、加熱前が水素、加熱後が硫化水素です。

覚え方は、「鉄が残っている加熱前は、鉄と塩酸の反応で水素」です。

においがあるのは、加熱後の硫化水素のほうです。

間違い③ 質量の比7:4を、鉄と硫黄の質量そのものだと思う

7:4は比です。

鉄が14gなら硫黄は8g、鉄が3.5gなら硫黄は2gが、ちょうど反応する量になります。

比が合わないときは、多いほうの物質が反応せずに余ります。

入試ではこう出る

入試では、この実験の手順が図で示されて、加熱前後の性質のちがいが問われます。

鉄粉7.0gと硫黄4.0gをアルミニウムはくで包み、加熱したものとそのままのものに、磁石と塩酸を使って性質を調べる実験の流れ

このような図が出たら、まず「どちらが加熱した物質で、どちらが加熱していない物質か」を確かめます。

図の左側は、加熱しないで、そのままにしておく流れです。

図の右側は、鉄粉と硫黄の粉末を混ぜたものをアルミニウムはくで包んで加熱する流れです。

加熱したほうは、磁石につかず、塩酸を加えると硫化水素が出ます。

加熱しなかったほうは、磁石につき、塩酸を加えると水素が出ます。

このほかに、質量の比を使って、余る物質の質量や、できる硫化鉄の質量を計算する問題もよく出ます。

「記述」では、加熱をやめても反応が続く理由や、別の物質ができたと言える理由を書かせる問題が出ます。

練習問題

問1 鉄粉と硫黄の粉末の混合物を加熱したあと、赤くなったところで加熱をやめました。

加熱後にできた物質に磁石を近づけると、磁石につきますか、つきませんか。

問2 加熱前の混合物と、加熱後の物質に、それぞれうすい塩酸を加えました。

それぞれから発生する気体の名前を答えなさい。

問3 鉄と硫黄が結びついて硫化鉄ができる反応を、化学反応式で表しなさい。

問4 鉄21gと硫黄12gを混ぜて加熱し、完全に反応させました。

できた硫化鉄は何gですか。

鉄と硫黄は、質量の比7:4で過不足なく反応するものとします。

問5 鉄7gと硫黄6gを混ぜて加熱し、完全に反応させました。

このとき、できる硫化鉄は何gですか。

また、反応せずに残る物質の名前と、その質量も答えなさい。

問6 鉄と硫黄の混合物を加熱するとき、赤くなったら加熱をやめても反応が最後まで進みます。

その理由を書きなさい。

解答と解説

問1

答え: つかない。

加熱によって、鉄と硫黄が結びついて、硫化鉄という別の物質ができました。

硫化鉄は磁石につかない物質です。

問2

答え: 加熱前は水素、加熱後は硫化水素。

加熱前の混合物には鉄が残っているので、鉄と塩酸が反応して、においのない水素が出ます。

加熱後の硫化鉄は、塩酸と反応して、卵の腐ったようなにおいの硫化水素を出します。

問3

答え: Fe + S → FeS

鉄原子1個と硫黄原子1個が結びつくので、左右の原子の数はそろっていて、係数は付けません。

問4

答え: 33g

まず、鉄と硫黄の質量の比を確かめます。

21:12 = 7:4 なので、ちょうど過不足なく反応します。

できる硫化鉄は、21g + 12g = 33g です。

問5

答え: 硫化鉄は11g、残る物質は硫黄で2g。

鉄7gと過不足なく反応する硫黄は、比が7:4なので4gです。

硫黄は6gあるので、6g - 4g = 2g が反応せずに残ります。

できる硫化鉄は、7g + 4g = 11g です。

問6

答え(例): この反応は熱が発生する反応で、発生した熱によって、まわりの鉄と硫黄も次々に反応するから。

「熱が発生する」ことと、「その熱で反応が続く」ことの2つを書けていれば正解です。

まとめ

まとめ
  • 鉄と硫黄を加熱すると化合して、硫化鉄(化合物)ができる
  • 化学反応式は Fe + S → FeS
  • 質量の比は 鉄:硫黄=7:4。比が合わないと、多いほうが余る
  • 加熱前は磁石につく、塩酸で水素(においなし)
  • 加熱後は磁石につかない、塩酸で硫化水素(卵の腐ったにおい・有毒)
  • 赤くなったら加熱をやめる(熱が出る反応で、そのまま進むから)

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■千葉市の検見川浜・稲毛海岸でリードアップ@本当に成績が上がる塾を経営 ■偏差値60から70にアップも高校受験不合格 ■指定校推薦で中央大学理工学部合格 ■生徒の成績10年連続10UP継続中 ■成績アップメディア「高校受験ラボ」を運営