授業で水の電気分解を習ったけど、どっちの極から何が出るのかごちゃごちゃになる…
- 陰極と陽極、水素と酸素がどっちか覚えられない
- 気体の体積の比が、なぜ2:1になるのか分からない
- 電気分解の化学反応式が書けない
こういう人に向けて書きました。
結論からいうと、水を電気分解すると、陰極(-極)に水素、陽極(+極)に酸素が出ます。
体積の比は水素:酸素=2:1です。
化学反応式は2H₂O → 2H₂ + O₂です。
この記事では、この3つを理由つきで説明します。
水の電気分解とは
水の電気分解とは、水に電流を流して、水素と酸素に分けることです。
水は、水素と酸素という2種類の物質でできた化合物です。
それを電気の力で、もとの物質に分けるわけです。
このように、1種類の物質を2種類以上の物質に分けることを分解といいます。
とくに電流を流して分けるものを、電気分解といいます。

水酸化ナトリウムを少し入れる理由
実験では、水に水酸化ナトリウムを少しだけ溶かして使います。
純粋な水は、電流がほとんど流れないからです。
水酸化ナトリウムが溶けると、水溶液の中を電流が流れやすくなります。
水酸化ナトリウムそのものは、この実験では分解されません。
電流を流しやすくするための助けとして入れているだけです。
水の電気分解のしくみ
どちらの極から何が出るか
電源の-極につないだ電極を陰極、+極につないだ電極を陽極といいます。
| 集まる気体 | 気体の確かめ方 | 気体の体積 | |
|---|---|---|---|
| 陰極(-極) | 水素 | マッチの火を近づけると、音を立てて燃える | 多い(2) |
| 陽極(+極) | 酸素 | 火のついた線香を入れると、線香が激しく燃える | 少ない(1) |
極の名前を忘れたときは、体積が多いほうが水素、と結びつけておくと助かります。
2本の管のうち、気体がたくさん集まったほうが水素です。

化学反応式で表す
水の電気分解を化学反応式で表すと、次のようになります。
2H₂O → 2H₂ + O₂
左側に水の分子が2個、右側に水素の分子が2個と酸素の分子が1個あります。
この式の係数を見ると、水素の分子2個に対して、酸素の分子が1個できることが分かります。
気体は、分子の数が多いほど体積が大きくなります。
だから、集まる気体の体積の比が水素:酸素=2:1になるわけです。
化学反応式の書き方は、次の順で考えると間違えません。
- 水を分解してできるものを書く(H₂O → H₂ + O₂)
- 右と左で、酸素原子の数をそろえる(O₂は酸素原子2個なので、H₂Oを2個にする)
- 水素原子の数をそろえる(H₂Oが2個なら水素原子は4個なので、H₂を2個にする)
質量の比は1:8
体積の比と、質量の比は別のものです。
水素と酸素の質量の比は、水素:酸素=1:8になります。
水の分子(H₂O)は、水素原子2個と酸素原子1個でできています。
水素原子1個の質量を1、酸素原子1個の質量を16とすると、水の分子1個は 1×2+16=18 です。
そのうち水素が2、酸素が16なので、質量の比は 2:16=1:8 です。
たとえば水18gを分解すると、水素が2g、酸素が16g得られます。
よくある間違い
間違い① 陰極と陽極を逆にする
「陰極=-極」と、まず極の名前と符号を結びつけます。
そのうえで、-極から水素、+極から酸素と覚えます。
迷ったら、集まった気体の多いほうが水素です。
間違い② 体積の比と質量の比を混同する
「水素:酸素=2:1」は体積の比で、「1:8」は質量の比です。
問題文に「体積」と「質量」のどちらを聞かれているか、線を引いて確認しましょう。
間違い③ 水酸化ナトリウムも分解されると思う
水酸化ナトリウムは、電流を流しやすくするために入れているだけで、分解されません。
分解されて気体になるのは、水だけです。
間違い④ 気体の確かめ方を取り違える
水素は、マッチの火を近づけると、ポンと音を立てて燃えます。
酸素は、火のついた線香を入れると、線香が激しく燃えます。
酸素そのものは燃えず、ものを燃やす手助けをするので、線香を使います。
入試ではこう出る
入試では、装置の図を見せて、次のような形で問われます。
- 図の気体Aと気体Bが、それぞれ何か答える
- 電極X、電極Yのどちらが陰極か答える
- 気体の確かめ方と、そのときの変化を書く
- 水酸化ナトリウムを入れる理由を、記述で答える
- 集まった気体の体積から、もう一方の気体の体積を求める
下の図は、装置と、集まる気体、体積の比がひとまとめになっている図です。
図の中の陰極と陽極の位置を、自分で確認してみましょう。

このような図が出たら、まず「どちらが陰極か」を、電源装置のつなぎ方から決めます。
陰極が決まれば、そちらが水素、反対側が酸素です。
練習問題
問1 水の電気分解で、陰極に集まる気体の名前を答えなさい。
また、その気体であることを確かめる方法と、そのときの結果を書きなさい。
問2 水の電気分解の実験で、水に水酸化ナトリウムを少量溶かす理由を書きなさい。
問3 水を電気分解したところ、陰極側に集まった気体は12cm³でした。
陽極側に集まった気体は何cm³と考えられますか。
問4 水の電気分解を化学反応式で表しなさい。
問5 水36gを完全に電気分解したとき、できる水素と酸素の質量はそれぞれ何gですか。
水素:酸素の質量の比は1:8とします。
問6 実際の実験では、陽極側に集まる気体の体積が、計算で求めた体積より少し少なくなることがあります。
その理由を、気体の性質をもとに書きなさい。
解答と解説
問1
答え: 水素。
マッチの火を近づけると、音を立てて燃える。
陰極(-極)には水素が集まります。
水素は、火を近づけると音を立てて燃える性質で確かめます。
問2
答え: 純粋な水には電流がほとんど流れないので、電流を流しやすくするため。
水酸化ナトリウムが溶けた水溶液は、電流が流れやすくなります。
水酸化ナトリウム自体が分解されるわけではありません。
問3
答え: 6cm³
陰極側は水素で、体積の比は水素:酸素=2:1です。
12:(酸素の体積)=2:1 より、酸素の体積は 12÷2=6cm³ です。
問4
答え: 2H₂O → 2H₂ + O₂
H₂O → H₂ + O₂ と書くと、右側の酸素原子が2個、左側が1個で合いません。
H₂Oを2個にすると、酸素原子が2個でそろいます。
そのとき水素原子は4個になるので、H₂を2個にして、2H₂O → 2H₂ + O₂ となります。
問5
答え: 水素 4g、酸素 32g
水素:酸素=1:8 なので、水の質量のうち水素は 1/9、酸素は 8/9 です。
水素は 36×1/9=4g です。
酸素は 36×8/9=32g です。
たしかめると、4+32=36gで、もとの水の質量と一致します。
問6
答え: 酸素は、水素よりも水に溶けやすいため、発生した酸素の一部が水に溶けるから。
発生した気体のうち、水に溶けたぶんは管に集まりません。
酸素は水素より水に溶けやすいので、そのぶん陽極側の体積が少なくなります。
まとめ
- 水に電流を流すと、水素と酸素に分解される
- 陰極(-極)に水素、陽極(+極)に酸素が集まる
- 体積の比は、水素:酸素=2:1
- 質量の比は、水素:酸素=1:8
- 化学反応式は 2H₂O → 2H₂ + O₂
- 水酸化ナトリウムは、電流を流しやすくするために入れる(分解されない)
- 水素はマッチの火で音を立てて燃え、酸素は線香が激しく燃える
体積の比と質量の比を取り違えないように、問題を解くときは「何の比か」を先に確認しましょう。

















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高校受験ラボ・進学塾リードアップ代表の山田優輔です!
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