この記事では「中学生の古文の勉強法」について解説します。
「古文の勉強法がわかりません…」とよく相談をもらいますが、古文は要点を覚えて勉強をしていけば誰でも確実に高得点を取ることができます!
古文の勉強のやり方の手順とコツを解説してから、さらにおすすめの問題集も紹介するので、ぜひ参考にしてください!
1. 【準備編】古文の基礎知識を覚える
古文の勉強では、いきなり問題を解く前に、勉強を始める準備が必要です。
1.1 まずは古文の基礎知識を覚えた方が効率が良い
まずは古文の基礎知識を覚えましょう。
いきなり問題にとりかかったり、やみくもに問題を解いているだけでは、実力はつきません。
何が重要なことでどこがポイントなのかがわかりません。
ですので、まずは『古文の基礎知識を覚える』必要があります。
『基礎知識を覚える』といっても、古文は覚えなければいけない知識量は多くありませんので、身構えなくても大丈夫ですよ^ ^
覚えるべき『古文の基礎知識』というのは、主に次の3つだけです!
古文の基礎知識については、次の記事にすべてまとめているので、目を通してください。
現在執筆中
ここでは簡単に解説します。
歴史的仮名遣い
古文は昔の言葉のため、現代とは読み方が異なるものがあります。
これを『歴史的仮名遣い』といいます。
例えば次のようなものがあります。
『歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直しなさい』という問題は、定期テストでも入試でもとてもよく出る問題なので、ルールを覚える必要があります。
主語や助詞などの『省略』
古文ではよく、主語が省略されます。
- 会話のある文では、誰の発言なのか?
- 敬語がある文では、誰に対する敬語か?
これらを考えながら、文章を読む必要があります。
また、助詞もしばしば省略されます。
【例】竹取の翁といふ者ありけり。(竹取の翁という〝が〟いた。)
こういった知識があるだけで、古文の読みやすさが段違いに良くなります!
係り結びなどの『古文の文法』
強調・疑問・反語などの意味を表現するための「係り結び」という文法のきまりがあります。
【例】花散りけり。 → 花ぞ散りける。(強調)
「『ぞ・なむ・や・か・こそ』があると係り結びだ!」といった感じで、最低限覚える文法の知識があります。
古文の基礎知識については、次の記事にすべてまとめています。
現在執筆中
2. 【実践編】古文の問題の解き方と手順
実際に問題に取り組むときの手順を解説します。
2.1 古文の解き方手順
古文の問題は次の手順で解いていきましょう。
2.2 必ず自分の考えた現代語訳が合っていたかチェックする
問題を解いて答え合わせをしたあとは、自分で考えた現代語訳が合っていたか全文チェックしましょう。
この作業を面倒くさがってやらなかったら、『ただ解いただけ』で終わってしまい、実力がつくことはありません。
古文本文と現代語訳を〝一文一文〟照らし合わせながら、訳し方を習得しましょう。
2.3 訳が全然分からなかったらどうする?
勉強のやり始めの頃は、訳がまったくわからず、内容がわからないことがあります。
このようなときは、現代語訳を先に見てしまってOKです。
現代語訳を見て、内容をある程度理解してから、問題演習に取り組みましょう。
演習を繰り返していけば、徐々に内容がつかめるようになってきます。
3. 古文の勉強法のコツ
古文の勉強をするときのコツについて解説します。
① 問題を解くときは3回読む
とにかく本文全体(+設問)を3回は読みましょう。
古典の文章はたいてい短いので、3回読むのにも時間がかからず簡単です。
なぜ3回読むのか?
それは、1回で内容をつかむのは難しいためです。
- 1回目で全体に目を通して何が書いてあるかを知る
- 2回目で一文一文の現代語訳をしっかり行い内容を理解する
- 3回目で記述の設問にも応えられるようしっかり理解する
と、目的を持って読みましょう。
ただ漠然と繰り返し読んで「何が書いてあったかさっぱり見当がつかない…」ということでは意味がないため、理解できる部分を確実に押さえながら、読み取れる部分を少しずつでも広げていくことが重要です。
読み進めるときに、設問内容の見当がつけば、□で囲むなりして目印をつけておき、設問を解くときに無駄に何度も読み返さなくてもいいようにしておくと、時間短縮になります。
② 常に主語が何か考える
【準備編】でも解説しましたが、古文では主語が省略されることがよくあります。
主語が誰なのかわからないまま文章を読んでいても、内容がまったく頭に入ってきません。
ですので、
- 会話のある文では、誰の発言なのか?
- 敬語がある文では、誰に対する敬語か?
これらを考えながら、文章を読む必要があります。
主語は述語や前後の内容(話の筋)から必ず推定できます。
「この文の主語は何か?」と問われる問題もよくあるので、古文を読むときは常に主語が何かを考えながら読みましょう。
③ 助詞の省略を補うとわかりやすい!
これも【準備編】で解説しましたが、古文では助詞が省略されることも多いです。
【補足】助詞とは?
助詞というのは「(私)は」「(私)が」「(あなた)に」「(彼)を」「(彼女)の」などです。
例えば
「私は公園でおにぎりを食べた」
この文章の助詞を省略したら
「私公園おにぎり食べた」
となり、たとえ現代語でもわかりずらいですよね。
「男目を覚まし」→「男が目を覚まし」
と、助詞を補いながら古文を読めるようになると、グッと意味がわかりやすくなります。
④ とにかく練習を重ねる
古典の文法や単語をすべて完璧にマスターすることは、〝中学生の場合は〟あまり効率の良い勉強法とは言えません。
ですので、【準備編】でお伝えした『古文の基礎知識』だけはしっかり覚えて、あとはできるだけたくさんの作品・問題に触れることによって、古文に慣れて、内容を予想する力を身に付けることが重要です。
しかし、学校のワークや市販の国語の問題集には、古文の問題はあまり載っておらず少ないです。
ですので、市販の〝古文の〟問題集を用意して、演習をしていくと良いです。
4. 古文のおすすめ問題集7選(中学生・高校入試版)
ここからはおすすめの問題集を目的別に紹介していきます。
4.1 基礎知識+問題演習オールインワンの問題集
解説と問題どちらもしっかりボリュームがあるオールインワンの4冊を紹介します。
くもんの高校入試スタートドリルこわくない国語古文・漢文
この本の特徴は、いきなり古文の本文に入るのではなく、まずはじめにマンガで物語を読んで「ストーリーそのもの」を理解してから、実際の入試問題にチャレンジするという2ステップに分かれています。
ですので、古文・漢文が苦手という受験生でも取り組みやすい作りになっています。
入試での頻出素材である「醒酔笑」「伊曾保物語」「おくのほそ道」「枕草子」「徒然草」などから35編を厳選されています。
問題の解き方のポイントもしっかりまとめられているので、効率よく学習できます。
全143ページ。
3ステップ式 標準問題集 中学 古文・漢文
【Step1(基本問題)】⇒【Step2(標準問題)】⇒【Step3(実力問題)】の3段階で、順を追ってレベルアップできる構成になっています。
解答と詳しい解き方が解説してある『解答編』は別冊で取り外すことができるので、勉強しやすいです!
全104ページ。
高校入試 とってもすっきり古文漢文
文法を基礎から解説してくれていて、その後に読解問題に取り組む構成の、積み上げ式の問題集です。
1つの単元は3つのステップで構成されていて、ステップが上がるごとに難易度も上がります。
本冊80ページ・別冊48ページの全128ページ。
古典問題の征服 高校入試でる順
この本の特徴は、全256ページでとにかく大ボリュームであるということです。
最近の高校入試の古典問題を徹底分析をしていることはもちろん、中学校では習わない作品にも着目してあり、作品を時代順に掲載されています。
「わかりやすく詳しい解説付き×圧倒的演習量」で、初めて目にする作品が出題されても、確実に得点できるようになります。
4.2 短期集中用の問題集
中学トレーニングノート 古文・漢文 定期テスト+入試対策
本題48ページで、短期間で演習をしたい人におすすめです。
定期テストと高校受験どちらにも対応していて、短期間で実践的な力が身につけられるように、問題を精選されています。
4.3 大量演習用の問題集
基礎知識のまとめや解説は載っていませんが、入試の実践演習を大量にやりたい人向けに、次の2冊を紹介します。
全国高校入試問題正解 国語
毎年その年に実施された47都道府県の公立高校入試問題と、主な国立・私立高校と高専の入試問題を収録した1冊です。
古文だけでなく入試問題丸々載っていますが、古文だけの演習をしたい人はその部分だけ取り組むと良いでしょう。
とにかく入試問題を解きまくり実践力をつけたい人はこの1冊しかありません。
私自身、高校受験はこの1冊で乗り切りました。
全国高校入試問題正解 分野別過去問 国語
上記の「全国高校入試問題正解 国語」の分野別に問題を並び替えたバージョンです。
古文の勉強方法まとめ
さいごに、今回解説した古文の勉強方法をまとめます。
特に重要なところには赤線を引いています。
古典は、学校の授業で扱われる時間はとても短いのに、入試には必ず出題されます。
文法など『古文の基礎知識』から順を追って勉強をしていけば、必ず入試でも高得点を取ることができます。
この記事の内容を参考にして、古文の苦手やつまずきを解消して、国語を得点源にしてください^ ^
こんにちは!
高校受験ラボ・進学塾リードアップ代表の山田優輔です!
進学塾リードアップのHPはこちら