単体、化合物、混合物の違いがごちゃごちゃになる…
- 「水は混合物?化合物?」と聞かれると迷う
- 空気や食塩水が、どちらの仲間なのか覚えられない
- H₂ や CO₂ のような化学式を見ても、単体か化合物か判断できない
こういう人に向けて書きました。
結論からいうと、混合物は「何種類かの物質が混ざっただけのもの」、化合物は「2種類以上の原子が結びついてできた1つの物質」です。
単体は、1種類の原子だけでできた物質です。
この記事では、3つの違いと見分け方を、練習問題つきで説明します。
単体・化合物・混合物とは
まず、物質を「混ざりものがあるかどうか」で2つに分けます。
純物質は、1種類の物質だけでできているものです。
混合物は、2種類以上の物質が混ざり合ったものです。
さらに、純物質を「どんな原子でできているか」で2つに分けます。
単体は、1種類の原子だけでできた物質です。
化合物は、2種類以上の原子が結びついてできた物質です。
| 分類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 単体 | 1種類の原子だけでできた純物質 | 水素 H₂、酸素 O₂、窒素 N₂、鉄 Fe、銅 Cu、銀 Ag、炭素 C |
| 化合物 | 2種類以上の原子が結びついた純物質 | 水 H₂O、二酸化炭素 CO₂、アンモニア NH₃、塩化ナトリウム NaCl、酸化銅 CuO、酸化銀 Ag₂O、硫化鉄 FeS |
| 混合物 | 2種類以上の物質が混ざったもの | 空気、食塩水、海水、牛乳、炭酸水、塩酸 |
次の図は、単体と化合物を、分子をつくるかどうかも合わせて整理したものです。

図の左側は分子からできている物質、右側は分子をつくらない物質です。
たとえば酸素 O₂ は、酸素原子が2個結びついた分子でできた単体です。
水 H₂O は、水素原子2個と酸素原子1個が結びついた分子でできた化合物です。
塩化ナトリウム NaCl は、分子をつくりませんが、ナトリウムと塩素という2種類の原子でできているので化合物です。
見分け方のしくみ
3ステップで見分ける
迷ったら、次の順番で考えます。
- 化学式が1つで書けるか? 書けないなら混合物(空気、食塩水など)
- 化学式が書けるなら、原子の種類はいくつか?
- 1種類だけなら単体、2種類以上なら化合物
混合物は、混ざっているものの割合が変わっても混合物のままなので、1つの化学式では書けません。
たとえば食塩水は、食塩の量を変えても食塩水です。
一方、水 H₂O は、水素原子2個と酸素原子1個という決まった組み合わせでできています。
化合物は、分解すると別の物質に分けられる
化合物は、加熱や電気で分解すると、もとになった単体などに分けられます。
水を電気分解すると、水素と酸素に分かれるのがその例です。
酸化銀を加熱すると、銀と酸素に分かれます。
逆に、鉄と硫黄を加熱して化合させると、どちらとも性質がちがう硫化鉄ができます。
それぞれの実験は、次の記事でくわしく説明しています。
- 水の電気分解
- 酸化銀の熱分解
- 鉄と硫黄の化合
混合物は、もとの物質の性質が残っている
混合物は、混ぜただけなので、混ざっているそれぞれの物質の性質が残っています。
鉄粉と硫黄の粉末を混ぜただけなら、鉄は磁石につきます。
化合物の硫化鉄になると、鉄の性質は残らず、磁石につかなくなります。
よくある間違い
間違い① 水は、水素と酸素が混ざったものだと思ってしまう
水は化合物です。
混ざっているのではなく、水素原子と酸素原子が結びついて、水分子という別の分子になっています。
水素と酸素を同じ容器に入れただけの気体は混合物ですが、水は混合物ではありません。
間違い② 食塩水と食塩を同じ仲間にしてしまう
食塩(塩化ナトリウム NaCl)は化合物ですが、食塩水は食塩と水が混ざった混合物です。
「〜水」「〜水溶液」は混合物、と覚えておくと間違いが減ります。
間違い③ 「単体」と「分子」を同じ意味にしてしまう
単体は「1種類の原子でできている」、分子は「原子がいくつか結びついた粒」という意味で、別の言葉です。
水素 H₂ は、分子でもあり単体でもあります。
水 H₂O は、分子ですが単体ではなく化合物です。
銅 Cu は、分子をつくりませんが単体です。
「分子をつくるか」と「単体か化合物か」は、別々に考えます。
入試ではこう出る
入試では、主に次の3つの形で問われます。
- 化学式や物質名を示して、単体と化合物に分けさせる
- 原子のモデル図を示して、化合物の分子を選ばせる
- 「混合物と化合物のちがい」を、原子や分子という言葉を使って記述させる
2つ目の形では、次のような分子のモデル図が使われます。

図では、白い丸が水素原子、黒い丸が酸素原子、二重丸が炭素原子を表しています。
1つの分子に2種類以上の原子が入っていれば、化合物の分子です。
この図なら、水分子と二酸化炭素分子が化合物、酸素分子と水素分子が単体です。
練習問題
問1
次のア〜オから、混合物をすべて選びなさい。
ア 水 イ 空気 ウ 食塩水 エ 二酸化炭素 オ 鉄
問2
次の物質を、単体と化合物に分けなさい。
H₂、CO₂、Cu、NaCl、O₂、MgO
問3
「入試ではこう出る」の図の4つの分子のうち、化合物の分子をすべて選びなさい。
問4
鉄粉と硫黄の粉末を混ぜて、試験管に入れました。
これを加熱すると、黒っぽい物質ができました。
(1) 加熱する前の、混ぜただけの粉末は、混合物・単体・化合物のどれですか。
(2) 加熱してできた黒っぽい物質(硫化鉄)は、単体・化合物のどちらですか。
(3) 磁石を近づけたとき、磁石につくのは、加熱前と加熱後のどちらですか。
問5
水素と酸素を混ぜただけの気体が混合物で、水が化合物であるのはなぜですか。
「原子」という言葉を使って説明しなさい。
解答と解説
問1の解答
答え: イ・ウ
空気は窒素や酸素などが混ざったもの、食塩水は食塩と水が混ざったものなので、混合物です。
水(ア)と二酸化炭素(エ)は化合物、鉄(オ)は単体です。
問2の解答
答え: 単体は H₂、Cu、O₂ / 化合物は CO₂、NaCl、MgO
化学式に含まれる原子の種類を数えます。
H₂は H だけ、Cu は Cu だけ、O₂は O だけなので、1種類の原子でできた単体です。
CO₂ は C と O、NaCl は Na と Cl、MgO は Mg と O の2種類なので、化合物です。
問3の解答
答え: 水分子、二酸化炭素分子
水分子は水素原子と酸素原子、二酸化炭素分子は炭素原子と酸素原子と、どちらも2種類の原子が結びついています。
酸素分子は酸素原子だけ、水素分子は水素原子だけなので、単体の分子です。
問4の解答
答え: (1) 混合物 (2) 化合物 (3) 加熱前
(1) 混ぜただけなので、鉄と硫黄が別々のまま混ざった混合物です。
(2) 硫化鉄 FeS は、鉄と硫黄という2種類の原子が結びついた化合物です。
(3) 加熱前は鉄の性質が残っているので磁石につきます。
加熱後の硫化鉄は鉄とは別の物質なので、磁石につきません。
問5の解答
答え(例): 水素と酸素を混ぜただけの気体は、水素分子と酸素分子がそれぞれ別々のまま混ざっているが、水は水素原子と酸素原子が結びついて、水分子という別の分子になっているから。
記述では、「混合物は、もとの物質がそのまま混ざっている」「化合物は、原子が結びついて別の物質になっている」の2点を入れると、得点しやすくなります。
- 純物質は1種類の物質、混合物は2種類以上の物質が混ざったもの
- 単体は1種類の原子だけでできた純物質(H₂、O₂、Fe、Cu など)
- 化合物は2種類以上の原子が結びついた純物質(H₂O、CO₂、NaCl など)
- 水は化合物、空気と食塩水は混合物
- 単体と化合物は、化学式の原子の種類を数えて見分ける
化合物がどうやってできるのかは、次の記事で実験とあわせて確かめられます。





















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