マグネシウムを燃やす実験は分かるけど、化学反応式が書けない…
「2Mg+O₂→2MgO」の2はどこから出てきたの?と思ってしまう…
こういう中2の人に向けて書きました。
結論からいうと、マグネシウムの酸化の化学反応式は2Mg+O₂→2MgOです。
「左右で原子の数をそろえる」という手順を覚えれば、この式は暗記しなくても自分で書けます。
マグネシウムの酸化とは
マグネシウムを加熱すると、空気中の酸素と結びついて酸化マグネシウムという白い物質ができます。
このように、物質が酸素と結びつく化学変化を酸化といいます。
マグネシウムの場合は、酸化のとき強い光を出して激しく燃えます。
光や熱を出しながら激しく酸化することを燃焼といいます。
つまりマグネシウムが燃えるのは、酸化の中でもとくに激しいものです。

言葉で書くと、次のようになります。
- マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
実験では、マグネシウムリボンをピンセットではさんで炎に入れ、火がついたら蒸発皿に入れて燃やします。
燃えたあとには白い粉が残ります。

酸化マグネシウムは、もとのマグネシウム(銀白色)とは別の物質です。
このように、もとの物質とは性質の違う物質ができる変化が化学変化です。
マグネシウムの酸化の化学反応式の書き方
化学反応式は、次の3ステップで書きます。
ここでは例題として、マグネシウムの酸化を書いてみます。
ステップ1 物質名を矢印でつなぐ
- マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
矢印の左が反応前の物質、右が反応後の物質です。
ステップ2 物質名を化学式に直す
マグネシウムは金属なので、Mg と書きます。
酸化マグネシウムは、マグネシウム原子1個と酸素原子1個が結びついたもので、MgO と書きます。
酸素は、酸素原子が2個結びついた酸素分子 O₂ として存在するので、O₂ と書きます。
- Mg+O₂→MgO
ステップ3 左右の原子の数をそろえる
この式のままだと、酸素原子が左に2個、右に1個で、数が合いません。
化学変化では原子が増えたり減ったりしないので、左右で同じ数にする必要があります。
まず右の MgO を2個にして、酸素原子を2個にそろえます。
- Mg+O₂→2MgO
すると今度は、マグネシウム原子が左に1個、右に2個になります。
そこで左の Mg を2個にします。
- 2Mg+O₂→2MgO
左はマグネシウム原子2個と酸素原子2個、右もマグネシウム原子2個と酸素原子2個です。
数がそろったので、これで完成です。
| 原子 | 左(反応前) | 右(反応後) |
|---|---|---|
| マグネシウム原子 Mg | 2個(2Mg) | 2個(2MgO) |
| 酸素原子 O | 2個(O₂) | 2個(2MgO) |
式の前に付ける数字を係数といいます。
係数は、数をそろえるために付ける数字です。
物質そのものの化学式(MgO や O₂)は変えません。
モデルで考える
原子のモデルで考えると、マグネシウム原子2個と、酸素分子1個(酸素原子2個)が反応します。
そして、マグネシウム原子1個と酸素原子1個が結びついた酸化マグネシウムが2個できます。
酸素分子1個が2つに分かれて、2個のマグネシウム原子に1個ずつ結びつく、というイメージです。
よくある間違い
間違い1 酸素を O と書いてしまう
酸素は単独の原子ではなく、原子2個がペアになった分子として存在します。
なので、反応前の酸素はO₂と書きます。
反応後の酸化マグネシウムの中の酸素は、MgO のように O 1個です。
同じ酸素でも、書き方が違うので注意しましょう。
間違い2 係数と小さい数字を混同する
2MgO の「2」は、MgO が2個あるという意味の係数です。
O₂ の小さい「2」は、酸素原子が2個結びついているという意味で、化学式の一部です。
数をそろえるときに変えてよいのは、前に付ける係数だけです。
MgO₂ や Mg₂O のように、化学式の小さい数字を変えて数を合わせてはいけません。
間違い3 燃やしたあとの質量が減ると思う
マグネシウムを燃やすと、酸素が結びつくので、できた酸化マグネシウムはもとのマグネシウムより重くなります。
増えた分の質量は、結びついた酸素の質量です。
反応の前と後で、物質全体の質量の合計は変わりません(質量保存の法則)。
もとのマグネシウムに空気中の酸素の質量が加わるので、結果として重く見えるだけです。
間違い4 酸化マグネシウムの色を黒と答える
酸化銅は黒ですが、酸化マグネシウムは白色です。
金属の酸化物の色は、金属ごとに違います。
テストでは色を問われることが多いので、マグネシウムは白、銅は黒、とセットで覚えておきましょう。
入試ではこう出る
入試では、マグネシウムを加熱する実験の図を見せて、次のような形で問われます。
- 化学反応式を書かせる
- 燃やしたあとにできる物質の名前や色を答えさせる
- 加熱後の質量から、結びついた酸素や反応した金属の質量を計算させる
- 「質量が増える理由」を言葉で説明させる
計算は、マグネシウムと酸素が3:2の質量の比で結びつくことを使います。
このとき、マグネシウムと酸化マグネシウムの質量の比は3:5になります。
くわしい計算のしかたは、下の関連記事にまとめています。
記述問題では、「空気中の酸素と結びついた」ことと、「その分だけ質量が増えた」ことの2点を書くのがポイントです。
また、二酸化炭素の中でもマグネシウムは燃えることがあります。
このときは二酸化炭素から酸素をうばって酸化マグネシウムができ、炭素(黒い粉)も残ります。
二酸化炭素の中でも燃えることは、教科書に載っているので頭の隅に置いておきましょう。
練習問題
次の問いに答えなさい。
問1
マグネシウムを空気中で加熱したときの化学変化を、化学反応式で書きなさい。
問2
マグネシウムを燃やしたあとにできた白い物質の名前を答えなさい。
問3
マグネシウムと酸素は、質量の比が3:2で結びつきます。
マグネシウム6.0gを完全に燃やしたとき、結びつく酸素の質量と、できる酸化マグネシウムの質量を、それぞれ求めなさい。
問4
マグネシウム3.0gを空気中で加熱したところ、加熱後の物質の質量は4.0gでした。
この加熱で、反応せずに残ったマグネシウムの質量は何gか求めなさい。
ただし、反応したマグネシウムはすべて酸化マグネシウムになったものとします。
問5
マグネシウムを燃やすと、できた物質の質量がもとのマグネシウムより大きくなる理由を、「酸素」という言葉を使って説明しなさい。
解答と解説
問1の答え
2Mg+O₂→2MgO
考え方は、化学反応式の書き方のステップ1〜3のとおりです。
Mg+O₂→MgO と書いたあと、酸素原子の数を2個にそろえるために MgO を2個にし、さらにマグネシウム原子をそろえるために Mg を2個にします。
問2の答え
酸化マグネシウム(白色)
マグネシウムが酸素と結びついてできた物質です。
問3の答え
酸素は4.0g、酸化マグネシウムは10g
考え方は、質量の比がマグネシウム:酸素=3:2であることを使います。
結びつく酸素の質量を x g とすると、次の式が成り立ちます。
- 6.0:x=3:2
- 3x=6.0×2
- 3x=12
- x=4.0
酸化マグネシウムの質量は、マグネシウムと酸素の質量の和なので、次のようになります。
- 6.0+4.0=10(g)
問4の答え
1.5g
考え方は、増えた質量が、結びついた酸素の質量であることを使います。
- 結びついた酸素の質量: 4.0-3.0=1.0(g)
酸素1.0gと結びついたマグネシウムの質量を y g とすると、質量の比がマグネシウム:酸素=3:2なので、次のようになります。
- y:1.0=3:2
- 2y=3.0
- y=1.5
反応したマグネシウムは1.5gです。
なので、反応せずに残ったマグネシウムは次のようになります。
- 3.0-1.5=1.5(g)
確かめとして、酸化マグネシウムの質量は1.5+1.0=2.5(g)で、残ったマグネシウム1.5gを足すと、2.5+1.5=4.0(g)になり、加熱後の質量と一致します。
問5の答え
(解答例)空気中の酸素がマグネシウムと結びついたから。
もとのマグネシウムの質量に、結びついた酸素の質量が加わるので、できた物質のほうが重くなります。
まとめ
- マグネシウムが酸素と結びつく化学変化を酸化といい、激しく光って燃えるので燃焼でもある
- できる酸化マグネシウムは白色の物質
- 化学反応式は2Mg+O₂→2MgO
- 式は、物質名→化学式→左右の原子の数をそろえる、の3ステップで書く
- 数をそろえるときに変えてよいのは係数だけで、化学式の小さい数字は変えない
- マグネシウム:酸素=3:2の質量の比で結びつくので、燃やしたあとは結びついた酸素の分だけ重くなる


















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