【中3理科】塩化銅化学式と電気分解|陰極・陽極でできるものの覚え方

山田優輔

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授業で塩化銅水溶液の電気分解を習ったけれど、どっちの極に何ができるのか分からなくなる…

  • 陰極と陽極のどちらに銅が付くのか、すぐ忘れてしまう
  • CuCl₂ の化学式や電離の式がうまく書けない
  • 「塩化銅を分解する」と言われても、何が起きているのかイメージできない

こういう人に向けて書きました。

結論からいうと、陰極に銅(赤褐色の固体)、陽極に塩素(気体)ができます。

塩化銅の化学式は CuCl₂ で、水に溶けると銅イオン Cu²⁺ と塩化物イオン Cl⁻ に分かれます。

陽イオンは陰極へ、陰イオンは陽極へ引かれる。

この1つのルールで、結果は決まります。

塩化銅水溶液の電気分解とは

塩化銅水溶液の電気分解とは、塩化銅の水溶液に電流を流して、塩化銅を銅と塩素に分解することです。

電極には、ふつう炭素棒を使います。

炭素棒は電流を通しますが、この実験では自分自身は変化しません。

塩化銅の化学式と電離

塩化銅の化学式は CuCl₂ です。

銅イオンは Cu²⁺(+の電気を2個ぶん持つ)で、塩化物イオンは Cl⁻(-の電気を1個ぶん持つ)です。

Cu²⁺ が1個に対して Cl⁻ が2個で、+2と-2が打ち消し合うので、CuCl₂ という形になります。

塩化銅が水に溶けて、陽イオンと陰イオンに分かれることを電離といいます。

電離の式は次のとおりです。

CuCl₂ → Cu²⁺ + 2Cl⁻

塩化銅CuCl2が水に溶けて、銅イオンCu2+と塩化物イオンCl-(Cu2+1個に対してCl-2個)に電離するようすの図

塩化銅水溶液が青色なのは、銅イオン Cu²⁺ が水の中にいるからです。

塩化銅水溶液の電気分解のしくみ

電極を水溶液に入れて電流を流すと、イオンが電極へ引かれていきます。

  • 陽イオン(Cu²⁺)は、-極につないだ電極(陰極)へ
  • 陰イオン(Cl⁻)は、+極につないだ電極(陽極)へ

電極に着いたイオンは、電子をやりとりして、もとの原子や分子にもどります。

陰極(-極)陽極(+極)
引かれるイオン銅イオン Cu²⁺塩化物イオン Cl⁻
電子電子を2個受けとる電子を1個ずつ渡す
式Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu2Cl⁻ → Cl₂ + 2e⁻
できるもの銅(赤褐色の固体が付く)塩素(気体が発生する)

e⁻ は電子を表します。

2つの変化をあわせると、塩化銅が銅と塩素に分解されたことが分かります。

CuCl₂ → Cu + Cl₂

塩化銅水溶液の電気分解の実験。陰極に赤色の銅が付着し、陽極側では塩素が発生して色のついた水が脱色される図

陽極にできる塩素の性質

塩素は、黄緑色で刺激臭のある気体です。

色のついた水に塩素を入れると、色が消えます(漂白作用)。

たとえば、赤インクで着色した水を陽極側に入れると、赤い色が消えて無色になります。

塩素は水に溶けやすいので、陽極側で集まる気体の量は、見た目よりも少なくなります。

実験でどうなるか

  • 陰極の炭素棒に、赤褐色の固体(銅)が付く
  • 陽極の炭素棒のまわりから、泡(塩素)が出る。においは刺激臭
  • 電流を流し続けると、水溶液の青色がだんだんうすくなる

青色がうすくなるのは、青色のもとである銅イオンが、銅になって減っていくからです。

塩化銅の電気分解でよくある間違い

間違い① 陽極に銅が付くと思ってしまう

銅イオンは陽イオン(+の電気を持つ)なので、-極につないだ陰極に引かれます。

「陽イオンは陰極へ」と、そのまま覚えるのがいちばん確実です。

名前の「陽」と「陰」が逆に見えるので、ここで迷う人は多いです。

間違い② 化学式を CuCl や Cu₂Cl と書いてしまう

Cu²⁺ は+2、Cl⁻ は-1です。

電気の合計が0になるように、Cu が1個に Cl を2個ならべるので、CuCl₂ になります。

2は Cl の右下に小さく書きます。

間違い③ 塩酸の電気分解とまぜてしまう

塩酸(HCl の水溶液)も、塩化銅水溶液と同じように電気分解の問題で出ます。

陽極に塩素が出るところは同じです。

ちがうのは陰極で、塩酸では銅ではなく水素が出ます。

水溶液陰極陽極
塩化銅水溶液銅(固体)塩素(気体)
塩酸水素(気体)塩素(気体)

陰極に出るものは、水溶液の中の陽イオンが何かで決まります。

入試ではこう出る

塩化銅水溶液の電気分解は、実験の図とセットで出ることが多い単元です。

よく問われる形は、次のとおりです。

  • どちらの電極に何ができたか(物質名・色・状態)
  • 陽極で発生した気体を確かめる方法と、その結果
  • 電離の式や、分解の化学反応式
  • 電流を流し続けたときの水溶液の色の変化とその理由
  • 塩酸など、ほかの水溶液で電気分解したときとの比較

図に「陰極」「陽極」と書いてあれば、その名前から判断します。

「電源の-極につないだ電極」と書かれているときは、それが陰極です。

電源装置の-と+は、図の中でよく見て、どちらの電極につながっているかを必ず確かめましょう。

練習問題

炭素棒を電極にして、塩化銅水溶液に電流を流しました。

問1(基本)

塩化銅が水に溶けて電離するようすを、化学式を使った式で書きなさい。

問2(基本)

陰極に付いた物質の名前と色、陽極で発生した気体の名前を答えなさい。

問3(入試レベル)

塩化銅が電気分解されて、銅と塩素になる変化を、化学反応式で書きなさい。

問4(記述)

電流を流し続けると、青色だった水溶液の色がうすくなりました。

その理由を、イオンという言葉を使って書きなさい。

問5(入試レベル)

塩化銅水溶液のかわりに、塩酸を同じ装置で電気分解しました。

陰極と陽極で発生する気体の名前を、それぞれ答えなさい。

解答と解説

問1の解答

CuCl₂ → Cu²⁺ + 2Cl⁻

考え方は、銅イオンが Cu²⁺、塩化物イオンが Cl⁻ だということです。

電気の合計を0にするため、Cl⁻ が2個必要になるので、Cl⁻ の前に2を付けます。

問2の解答

陰極: 銅(赤褐色の固体)、陽極: 塩素

考え方は、陽イオンの Cu²⁺ が陰極へ、陰イオンの Cl⁻ が陽極へ引かれるということです。

陰極では Cu²⁺ が電子を受けとって銅になり、陽極では Cl⁻ が塩素の気体になります。

問3の解答

CuCl₂ → Cu + Cl₂

考え方は、陰極でできる銅と、陽極でできる塩素をあわせて、1つの式にすることです。

左側に Cu が1個、Cl が2個あり、右側にも Cu が1個、Cl₂ が1個(Cl が2個)あるので、数は合っています。

問4の解答

水溶液中の銅イオンが、陰極で銅になって減ったから。

考え方は、青色のもとが銅イオン Cu²⁺ だということです。

電流が流れるたびに Cu²⁺ が銅になって陰極に付くので、水溶液中の Cu²⁺ が少なくなり、青色がうすくなります。

問5の解答

陰極: 水素、陽極: 塩素

考え方は、塩酸 HCl が H⁺ と Cl⁻ に電離しているということです。

陽イオンの H⁺ は陰極へ引かれて水素になり、陰イオンの Cl⁻ は陽極へ引かれて塩素になります。

電離の式は HCl → H⁺ + Cl⁻ で、分解の式は 2HCl → H₂ + Cl₂ です。

まとめ

塩化銅水溶液の電気分解
  • 塩化銅の化学式は CuCl₂。電離の式は CuCl₂ → Cu²⁺ + 2Cl⁻
  • 陽イオン(Cu²⁺)は陰極へ、陰イオン(Cl⁻)は陽極へ引かれる
  • 陰極には銅(赤褐色の固体)が付き、陽極からは塩素(気体)が発生する
  • 塩素は刺激臭があり、色のついた水の色を消す(漂白作用)
  • 分解の式は CuCl₂ → Cu + Cl₂
  • 青色がうすくなるのは、銅イオンが銅になって減るから
  • 塩酸の電気分解では、陰極に水素、陽極に塩素が出る

全部を一度に覚えなくても、「陽イオンは陰極へ」だけ先に覚えれば、あとは自分で導けます。

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