- だ液のはたらきの実験で、ヨウ素液とベネジクト液の使い分けが分からない
- 試験管AとBを比べて、何が言えるのかが分からない
- テストに出る「対照実験」の答え方を知りたい
こういう人に向けて書きました。
結論からいうと、ベネジクト液は「糖があるか」を調べる液です。
ヨウ素液は「デンプンがあるか」を調べる液で、この2つを組み合わせると、だ液がデンプンを糖に変えたことが分かります。
ベネジクト液とは
ベネジクト液とは、麦芽糖やブドウ糖などの糖があるかどうかを調べる、青色の液です。
糖がふくまれる液にベネジクト液を加えて加熱すると、赤褐色(赤かっ色)の沈殿ができます。
ここで、加熱しないと色が変わらないことに注意してください。
加熱するときは、液が急にふき出さないように、沸とう石を入れて軽くふりながら温めます。
ヨウ素液は、ちがう物質を調べる液です。
| 調べる液 | 調べるもの | 反応したときの変化 | 加熱 |
|---|---|---|---|
| ヨウ素液 | デンプン | 青紫色になる | しない |
| ベネジクト液 | 糖(麦芽糖など) | 赤褐色の沈殿ができる | する(沸とう石を入れる) |
だ液のはたらきを調べる実験のしくみ
この実験で確かめたいのは、「だ液がデンプンを別のものに変えるのか」ということです。
だ液には、デンプンを糖に分解する消化酵素(アミラーゼ)がふくまれています。
手順
- 試験管AとBに、うすいデンプンのりを入れる
- Aにはうすめただ液を、Bには水を、同じ量だけ加える
- AとBを、36〜40℃くらいの湯に10分ほど入れる
- それぞれの液を2本ずつに分ける
- 1本にはヨウ素液を、もう1本にはベネジクト液を加えて加熱し、色を見る
下の図は、AとBに液を入れてまぜるところです。

次の図は、液を分けたあと、ベネジクト液を加えて加熱する場面です。

結果と、そこから言えること
| 試験管A(だ液) | 試験管B(水) | |
|---|---|---|
| ヨウ素液 | 変化しない(青紫色にならない) | 青紫色になる |
| ベネジクト液(加熱) | 赤褐色の沈殿ができる | 変化しない |
ヨウ素液の結果から、Aではデンプンがなくなったことが分かります。
ベネジクト液の結果から、Aでは糖ができたことが分かります。
つまり、だ液のはたらきで、デンプンが糖に変わったといえます。
なぜBに水を入れるのか(対照実験)
Bのように、調べたいこと以外を同じにしてくらべる実験を対照実験といいます。
AとBのちがいは、だ液を入れたか、水を入れたかだけです。
だから、結果にちがいが出たなら、その原因はだ液だと言い切れます。
Bがないと、デンプンが時間がたって自然に変わっただけかもしれない、という疑いが残ってしまいます。
よくある間違い
①ヨウ素液で変化しなかったから「糖ができた」と書いてしまう
ヨウ素液は、デンプンの有無しか調べられません。
「青紫色にならない」ことから言えるのは、デンプンがなくなったことだけです。
糖ができたと言うには、ベネジクト液の反応が必要です。
②ベネジクト液を加熱せずに色を見てしまう
ベネジクト液は、加熱してはじめて赤褐色の沈殿ができます。
「ベネジクト液は加熱が必要」「ヨウ素液は加熱しない」とセットで覚えてください。
③「色が変わった」をひとまとめにして書いてしまう
ヨウ素液は青紫色に変わり、ベネジクト液は赤褐色の沈殿ができます。
記述では、どの液がどんな色になったのかを、液の名前つきで書きましょう。
入試ではこう出る
入試では、結果の表だけが示されて、「だ液を入れたのはどちらか」と問われる形がよく出ます。
たとえば、次の図のように、AとBの結果を表にした問題です。

ヨウ素液では、Aが青紫色に変わりました。
これは、Aにデンプンが残っているということです。
ベネジクト液では、Bに赤褐色の沈殿ができました。
これは、Bに糖ができたということです。
デンプンが糖に変わったのはBなので、だ液を入れたのはB、Aは水です。
このように、ヨウ素液の結果とベネジクト液の結果は、逆の関係になります。
もう1つ、「湯に入れるのはなぜか」という記述もよく出ます。
図の湯は36℃くらいですが、体温に近い温度(36〜40℃くらい)であればだ液はよくはたらきます。
答えは、「だ液にふくまれる消化酵素が、体温に近い温度でよくはたらくから」です。
練習問題
問1 デンプンがあるかどうかを調べるのは、ヨウ素液とベネジクト液のどちらですか。
また、デンプンがあるとき、何色になりますか。
問2 ベネジクト液を使って糖を調べるときに、ヨウ素液とちがって必要な操作は何ですか。
問3 だ液のはたらきを調べる実験で、試験管Bに水を入れた理由を、「だ液」という言葉を使って書きなさい。
問4 デンプンのりに、だ液または水を加えた試験管XとYを、約40℃の湯に10分入れました。
そのあと液を2本ずつに分け、ヨウ素液とベネジクト液(加熱)で調べると、結果は次の表のとおりでした。
だ液を加えたのはXとYのどちらですか。
| 試験管X | 試験管Y | |
|---|---|---|
| ヨウ素液 | 青紫色になった | 変化なし |
| ベネジクト液(加熱) | 変化なし | 赤褐色の沈殿ができた |
問5 問4で、試験管を約40℃の湯に入れたのはなぜですか。
解答と解説
問1 答え: ヨウ素液。
青紫色になる。
ヨウ素液はデンプンを調べる液で、デンプンがあると青紫色になります。
問2 答え: 加熱する。
ベネジクト液は加熱してはじめて、糖があるときに赤褐色の沈殿ができます。
問3 答え: 結果のちがいが、だ液によるものだと確かめるため。
AとBで、だ液のあるなし以外の条件を同じにして、くらべるためです。
問4 答え: Y。
Xはヨウ素液で青紫色になったので、デンプンが残っています。
Yはヨウ素液で変化せず、ベネジクト液で赤褐色の沈殿ができたので、デンプンが糖に変わっています。
デンプンを糖に変えたのはだ液のはたらきなので、だ液を加えたのはYです。
問5 答え: だ液にふくまれる消化酵素が、体温に近い温度でよくはたらくから。
温度が低すぎても高すぎても、酵素はうまくはたらきません。
まとめ
- ベネジクト液は糖を調べる液。加熱すると、糖があれば赤褐色の沈殿ができる
- ヨウ素液はデンプンを調べる液。デンプンがあれば青紫色になり、加熱はしない
- だ液を入れた試験管では、デンプンがなくなり、糖ができる
- 水を入れた試験管と比べる実験が対照実験。だ液のはたらきだと言い切れる
- 約40℃にするのは、消化酵素が体温に近い温度でよくはたらくから


















こんにちは!
高校受験ラボ・進学塾リードアップ代表の山田優輔です!
進学塾リードアップのHPはこちら