無性生殖の単元で、こんなことに困っていませんか?
- 分裂・出芽・栄養生殖の違いが分からない…
- ジャガイモやヒドラが、どのふえ方なのか覚えられない…
- 「親と同じ形質になる」と言われても、理由が分からない…
こういう人に向けて書きました。
結論からいうと、無性生殖は『からだの一部が分かれて新しい個体になる』ふえ方で、種類は分裂・出芽・栄養生殖の3つです。
どれも体細胞分裂だけでふえるので、子は親と同じ遺伝子を受けつぎ、同じ形質になります。
無性生殖とは
無性生殖とは、雌雄の親が必要なく、1つの個体のからだの一部が分かれて、新しい個体ができるふえ方のことです。
受精をしないので、精子や卵のような生殖細胞はつくりません。
親の体細胞が体細胞分裂をして、その細胞が新しい個体になります。

体細胞分裂では、染色体の数も遺伝子も、そのまま子の細胞に受けつがれます。
そのため、無性生殖でできた子は、親と同じ遺伝子をもち、同じ形質になります。
受精によってふえる有性生殖とは、ここが大きく違います。
| 無性生殖 | 有性生殖 | |
|---|---|---|
| ふえ方 | 体細胞分裂でふえる | 生殖細胞が受精してふえる |
| 親の数 | 1つの個体でよい | 雌雄2つの個体が必要 |
| 子の遺伝子 | 親と同じ | 両方の親から半分ずつ受けつぐ |
| 子の形質 | 親と同じになる | 親と異なるものも出てくる |
無性生殖の種類と例
無性生殖は、からだのどの部分が新しい個体になるかで、3つに分けられます。
| 種類 | ふえ方 | 生物の例 |
|---|---|---|
| 分裂 | からだが2つに分かれて、それぞれが新しい個体になる | アメーバ・ゾウリムシ・ミカヅキモ |
| 出芽 | からだの一部にふくらみ(芽)ができ、大きくなって離れる | ヒドラ・酵母菌 |
| 栄養生殖 | 根・茎・葉などの一部から、新しい個体ができる | ジャガイモ・オランダイチゴ・ヤマノイモ・コダカラベンケイソウ |
分裂
分裂は、からだが2つに分かれて、それぞれが1つの個体になるふえ方です。
アメーバ、ゾウリムシ、ミカヅキモのような、からだが1つの細胞でできている生物(単細胞生物)が、このふえ方をします。
分かれる前の親はいなくなり、2つの子になる、と考えると分かりやすいです。

出芽
出芽は、からだの一部に芽のようなふくらみができ、それが大きくなって、やがて親から離れて新しい個体になるふえ方です。
ヒドラのように、からだが多くの細胞でできている生物(多細胞生物)にも、このふえ方をするものがいます。
パンやビールをつくるときに使う酵母菌も、出芽でふえます。

栄養生殖
栄養生殖は、植物の根・茎・葉といった栄養器官(栄養分をつくったり、ためたりする部分)から、新しい個体ができるふえ方です。
種子ではなく、からだの一部から育つのが特徴です。
- ジャガイモ: 地下の茎の先がふくらんだ「いも」から芽が出て、新しい個体になる
- オランダイチゴ: ほふく茎(地面をはう茎)の先に、新しい個体ができる
- ヤマノイモ: 葉のつけ根にできる「むかご」が落ちて、新しい個体になる
- コダカラベンケイソウ: 葉のふちにできた芽が落ちて、新しい個体になる
コダカラベンケイソウは、分裂の節の図(ミカヅキモと並んでいる図)の右側に出てくる植物です。
サツキやアジサイの枝を切って土にさす「挿し木」も、栄養生殖を利用した方法です。
切った枝からも根が出て、親と同じ形質の個体ができます。
無性生殖の利点と欠点
無性生殖には、よい点と困る点があります。
- 利点: 1つの個体だけで、短い時間にたくさんふやせる
- 欠点: 子が親と同じ遺伝子なので、環境が大きく変わったとき、全部がいっしょに弱ってしまうことがある
農業では、おいしいジャガイモやイチゴの形質をそのまま残したいので、無性生殖がよく使われています。
よくある間違い
間違い① ジャガイモのいもを「根」と答える
ジャガイモのいもは、根ではなく、地下の茎の先がふくらんだものです。
「栄養生殖は、根・茎・葉の一部から」と覚えておけば、いもから芽が出るのも栄養生殖だと分かります。
間違い② 出芽と、植物の「芽が出る」を混同する
出芽は、ヒドラや酵母菌のような生物が、からだの一部をふくらませてふえる方法です。
ジャガイモの芽が出て育つのは、出芽ではなく栄養生殖です。
言葉に「芽」が入っていても、動物か植物かで、見分けましょう。
間違い③ 単細胞生物はぜんぶ「分裂」と答える
単細胞生物でも、酵母菌は出芽でふえます。
「単細胞生物だから分裂」と決めつけず、生物ごとにふえ方をセットで覚えましょう。
入試ではこう出る
入試では、生物の名前とふえ方を結びつける問題が、いちばんよく出ます。
「次のうち、無性生殖でふえるものを選びなさい」のように、有性生殖でふえる生物と混ぜて出題されます。
次に多いのが、模式図を使って、子の細胞の染色体の本数を答えさせる問題です。
先ほどの図のように、無性生殖では体細胞分裂が起こるので、子の染色体の本数は親と同じです。
もう1つは、記述問題です。
「無性生殖でできた子が、親と同じ形質になる理由」や、「無性生殖の利点」が問われます。
答えに入れる言葉は、『体細胞分裂』『親と同じ遺伝子(染色体)』の2つです。
練習問題
問1 ミカヅキモがふえるとき、からだが2つに分かれます。
このふえ方を何といいますか。
問2 ヒドラが、からだの一部にできた芽のようなふくらみから、新しい個体をつくるふえ方を何といいますか。
問3 次のア〜エのうち、無性生殖にあたるものをすべて選びなさい。
- ア アサガオが種子をつくって、ふえる
- イ ジャガイモのいもから芽が出て、育つ
- ウ メダカの雌が卵を産み、ふえる
- エ アメーバが2つに分かれて、ふえる
問4 ある生物の体細胞の染色体が6本のとき、無性生殖でできた子の体細胞の染色体は何本ですか。
問5 ジャガイモのいもを植えて育てると、親と同じ形質のジャガイモができます。
その理由を、「体細胞分裂」「遺伝子」という言葉を使って書きなさい。
解答と解説
問1
答え: 分裂
考え方: ミカヅキモはからだが1つの細胞でできた生物で、からだが2つに分かれてふえます。
問2
答え: 出芽
考え方: 親のからだの一部にできた芽のようなふくらみが、大きくなって離れるふえ方は出芽です。
問3
答え: イ、エ
考え方: 無性生殖は、受精をしないふえ方です。
イは栄養生殖、エは分裂で、どちらも受精がありません。
ア(種子)とウ(卵)は、どちらも受精でできるので、有性生殖です。
問4
答え: 6本
考え方: 無性生殖は体細胞分裂でふえるので、染色体の数は親と同じ6本です。
有性生殖の場合は、生殖細胞の染色体が半分の3本になり、受精で6本にもどります。
問5
答え(例): 体細胞分裂だけでふえ、親の遺伝子がそのまま子に受けつがれるから。
考え方: ジャガイモのいもは、親の体の一部(栄養生殖)です。
受精がないので、親の遺伝子が混ざることがなく、子は親と同じ遺伝子をもちます。
そのため、形質も親と同じになります。
まとめ
- 無性生殖は、受精をせず、からだの一部が分かれて新しい個体になるふえ方
- 種類は、分裂(アメーバ・ゾウリムシ・ミカヅキモ)、出芽(ヒドラ・酵母菌)、栄養生殖(ジャガイモ・オランダイチゴ・コダカラベンケイソウなど)
- 体細胞分裂でふえるので、子は親と同じ遺伝子をもち、同じ形質になる
- 利点は短い時間にふやせること。欠点は、環境の変化に全部がいっしょに弱ること



















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高校受験ラボ・進学塾リードアップ代表の山田優輔です!
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