【中3理科】相同器官と進化|相似器官との違いと進化の証拠

山田優輔

こんにちは!
高校受験ラボ・進学塾リードアップ代表の山田優輔です!
進学塾リードアップのHPはこちら

「相同器官と相似器官の違いがごちゃごちゃになる…」

  • 相同器官って何のことか、いまいち分からない…
  • ヒトの腕とコウモリの翼が「同じ」と言われても、ピンとこない…
  • 進化の証拠として、何を書けばいいのか分からない…

こういう人向けに、この記事で相同器官と進化のつながりを整理します。

結論からいうと、相同器官とは、見た目やはたらきは違っても、もとは同じ器官だったと考えられるものです。

そして、相同器官があることは、それらの生物が共通の祖先から進化してきた証拠になります。

相同器官とは

相同器官(そうどうきかん)とは、はたらきや形は違っていても、もとは同じ器官から変化したと考えられる器官のことです。

下の図は、4種類の動物の前あし(翼)の骨を並べたものです。

カエル・カメ・ハト・イヌの前あし(翼)の骨を並べた図。点線で、同じ位置の骨どうしが対応している

カエルの前あし、カメの前あし、ハトの翼、イヌの前あしは、使い方も形もまったく違います。

でも、骨を1本ずつ見ていくと、図の点線でつないだように、同じ位置に同じ種類の骨があります。

肩のほうから、1本の太い骨、2本の骨、手首やゆびの骨、という順番に並んでいるのです。

ヒトの腕、クジラの胸びれ、コウモリの翼も、同じつくりをしています。

歩く、泳ぐ、飛ぶ、物をつかむ。

はたらきは違うのに、骨のつくりは共通です。

これが、相同器官です。

相同器官がなぜ進化の証拠になるのか

はたらきが違うのに、骨の並び方が同じなのは、偶然とは考えにくいです。

そこで、これらの動物は、共通の祖先から、長い時間をかけて少しずつ変化してきたのだと考えられています。

同じ祖先の前あしが、泳ぐのに便利な形、飛ぶのに便利な形、と、くらす場所に合わせて変わっていったということです。

環境に合わせて、長い時間をかけて生物が変わっていくことを、進化といいます。

相同器官と相似器官の違い

相同器官とよく混同されるのが、相似器官(そうじきかん)です。

相同器官相似器官
もとの器官同じ別々
はたらき・形違っていることが多い似ている
例ヒトの腕、クジラの胸びれ、コウモリの翼、ハトの翼ハトの翼とチョウの翅(はね)

ハトの翼とチョウの翅は、どちらも飛ぶためのもので、見た目も少し似ています。

でも、ハトの翼は前あしが変化したもので、骨があります。

チョウの翅は、体の外側がのびたもので、骨はありません。

もとが違うので、この2つは相同器官ではなく、相似器官です。

痕跡器官と、進化の証拠

相同器官のほかに、進化の証拠として教科書に出てくるものが2つあります。

1つ目は痕跡器官(こんせききかん)です。

痕跡器官とは、はたらきを失って、小さく残っているだけの器官のことです。

たとえば、クジラには、後ろあしの骨のなごりが体の中に残っています。

クジラの祖先は陸上を歩いていて、そこから水中の生活に変わっていった、と考える手がかりになります。

2つ目は、中間的な生物の化石です。

その代表が始祖鳥(しそちょう)です。

始祖鳥の骨格と外見の想像図。歯、爪、尾の骨がある

始祖鳥には、鳥類の特徴とは虫類の特徴の両方があります。

特徴
鳥類に似ている羽毛のある翼
は虫類に似ている口に歯がある/長い尾の骨がある

そのため、始祖鳥は、は虫類から鳥類へ進化していく途中の生物だと考えられています。

よくある間違い

① 「はたらきが同じ」なら相同器官だと思ってしまう

相同器官かどうかを決めるのは、はたらきではなく、もとが同じかどうかです。

ハトの翼とチョウの翅は、どちらも飛ぶためのものですが、もとが違うので相似器官です。

逆に、ヒトの腕とクジラの胸びれは、はたらきが全然違いますが、相同器官です。

② 進化を、1匹の生物が変わることだと思ってしまう

進化は、1匹の体が途中で変わることではありません。

世代をいくつも重ねるあいだに、体のつくりが少しずつ変わっていくことです。

記述問題では「何世代もかけて」という言い方が、書けているかどうかの分かれ目になることがあります。

③ 「相同」と「相似」を書きまちがえる

漢字が似ているので、テストでは取り違えがよく起こります。

「同じ」という字が入っている相同器官のほうが、もとが同じと覚えましょう。

入試ではこう出る

入試でよく見るのは、骨のつくりを並べた図から、どの骨がどの骨に対応するかを答えさせる問題です。

下の図は、コウモリの翼、クジラの胸びれ、ヒトの腕の骨を並べたもので、同じ番号の骨は、もとが同じ骨を表しています。

コウモリの翼、クジラの胸びれ、ヒトの腕の骨を並べた図。同じ番号の骨は、もとが同じ骨を表す

この図から読み取れるのは、次のことです。

  • 3種類とも、肩に近いほうに1の骨があり、その先に2と3の骨が並んでいる
  • コウモリの翼でも、クジラの胸びれでも、ヒトの腕でも、同じ番号の骨は同じ位置にある
  • はたらきは「飛ぶ」「泳ぐ」「物をつかむ」と違っていても、つくりは共通している

ここから、「3つの動物の器官は相同器官で、共通の祖先から進化したと考えられる」と答えるのが、定番の流れです。

もう1つの出題パターンは、「相同器官の組み合わせを選べ」という選択問題です。

このときは、はたらきではなく、骨のつくりが共通しているかで判断します。

練習問題

問1 はたらきや形は違っていても、もとは同じ器官から変化したと考えられる器官を何といいますか。

問2 次のア〜ウのうち、相同器官の関係にある組み合わせを1つ選びなさい。

  • ア ハトの翼とチョウの翅
  • イ ハトの翼とコウモリの翼
  • ウ ヒトの腕とトンボの翅

問3 上の入試の節で見た図(コウモリ・クジラ・ヒト)で、ヒトの腕の「1」と同じ骨は、クジラの胸びれでは図のどの番号ですか。

問4 始祖鳥の特徴のうち、は虫類と共通する特徴を1つ書きなさい。

(始祖鳥の図を見て答えること)

問5 ヒトの腕とクジラの胸びれで、はたらきは違うのに骨のつくりが共通していることは、生物の進化についてどんなことを示していますか。

「祖先」という言葉を使って書きなさい。

解答と解説

問1 相同器官

もとが同じで、はたらきや形が違う器官が相同器官です。

もとが違うのに、はたらきや形が似ている器官は、相似器官です。

問2 イ

ハトの翼もコウモリの翼も、前あしが変化したものなので、相同器官です。

アのチョウの翅と、ウのトンボの翅は、骨のある前あしではなく、体の外側がのびたものなので、相同器官ではありません。

問3 1

同じ番号の骨は、もとが同じ骨を表しています。

ヒトの1と同じ骨は、クジラの図でも1の骨です。

問4 口に歯がある(または、長い尾の骨がある)

どれか1つ書ければ正解です。

羽毛のある翼は、鳥類と共通する特徴なので、ここには書きません。

問5 (例)ヒトとクジラが、共通の祖先から進化してきたことを示している。

考え方は、次の順に書くと整理できます。

  1. はたらきは違っても、骨のつくりが共通している(=相同器官)
  2. だから、もとは同じ器官だったと考えられる
  3. つまり、共通の祖先から進化したと考えられる
まとめ
  • 相同器官は、はたらきや形が違っても、もとが同じ器官(例: ヒトの腕、クジラの胸びれ、コウモリの翼)
  • 相似器官は、はたらきや形が似ているが、もとは別の器官(例: ハトの翼とチョウの翅)
  • 相同器官があることは、生物が共通の祖先から進化した証拠になる
  • ほかの証拠として、はたらきを失った痕跡器官や、始祖鳥のような中間的な生物の化石がある
  • 決め手は「はたらき」ではなく「もとが同じかどうか」

遺伝の規則性については、こちらの記事で解説しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
山田 優輔
■千葉市の検見川浜・稲毛海岸でリードアップ@本当に成績が上がる塾を経営 ■偏差値60から70にアップも高校受験不合格 ■指定校推薦で中央大学理工学部合格 ■生徒の成績10年連続10UP継続中 ■成績アップメディア「高校受験ラボ」を運営