- 季節風と海陸風、どっちがどっちか分からなくなる…
- 冬は北西、夏は南東、と暗記しているけど理由が分からない…
- 海風と陸風が、どっちからどっちへ吹くのか毎回迷う…
こういう人に向けて書きました。
結論からいうと、どちらも「陸と海のあたたまり方の差」で風が吹く、という同じしくみです。
季節風は1年のスケールで向きが変わる風で、冬は北西、夏は南東から吹きます。
海陸風は1日のスケールで向きが変わる風で、昼は海から陸へ、夜は陸から海へ吹きます。
季節風とは
季節風とは、季節によって吹く向きが変わる風のことです。
日本付近では、冬は北西から、夏は南東から吹きます。

図の白い矢印が、冬と夏の風の向きです。
冬は大陸(ユーラシア大陸)から、夏は海洋(太平洋)から、日本に向かって空気が流れ込みます。
この空気のかたまりを気団といいます。
冬に大陸からくるのが、冷たくて乾燥したシベリア気団です。
夏に太平洋からくるのが、あたたかくてしめった小笠原気団です。
風向は「吹いてくる方向」で言う
風向は、風が吹いてくる方向で表します。
「北西の風」は、北西から南東に向かって吹く風のことです。
矢印の向きと逆に言ってしまう人が多いので、ここは最初に押さえておきましょう。
季節風が吹くしくみ
季節風が吹く理由は、大陸と海洋で、あたたまりやすさが違うからです。
陸(大陸)は、あたたまりやすく冷めやすい性質があります。
海(海洋)は、あたたまりにくく冷めにくい性質があります。
この差が、風の向きを決めます。
夏に南東の風が吹くしくみ
- 夏は、大陸のほうが海洋よりも強くあたためられる
- 大陸の上では空気があたためられて、上昇気流ができる
- 上昇気流のところは気圧が低くなる(低気圧になる)
- 海洋の上は大陸より気圧が高いので、海洋から大陸へ向かって風が吹く
日本から見ると、海洋(太平洋)は南東の側にあります。
だから夏は、南東から北西に向かう風が吹きます。
冬に北西の風が吹くしくみ
- 冬は、大陸のほうが海洋よりも冷える
- 大陸の上では空気が冷やされて、下降気流ができる
- 下降気流のところは気圧が高くなる(高気圧になる)
- 大陸の上のほうが気圧が高いので、大陸から海洋へ向かって風が吹く
日本から見ると、大陸は北西の側にあります。
だから冬は、北西から南東に向かう風が吹きます。
空気は、気圧が高いほうから低いほうへ流れる。
これが分かっていれば、夏と冬の向きは丸暗記しなくても出せます。
夏と冬の違いをまとめる
| 冬 | 夏 | |
|---|---|---|
| 季節風の向き | 北西の風 | 南東の風 |
| 気団 | シベリア気団(冷たく乾燥) | 小笠原気団(あたたかくしめっている) |
| 気圧配置の特徴 | 西高東低 | 南高北低 |
| 天気の特徴 | 日本海側で雪、太平洋側で乾燥した晴れ | 高温でむし暑い |
冬の季節風と日本海側の雪
冬の天気は、季節風を知っていると説明できます。

大陸から吹き出した冷たく乾燥した空気は、そのままでは雲をつくりません。
ところが日本海の上を通るあいだに、海面から水蒸気をたっぷり受け取ります。
この湿った空気が日本列島の山地にぶつかって、上昇気流になります。
上昇した空気が冷やされて雲ができ、日本海側に雪を降らせます。
山を越えた空気は水蒸気を落としきって乾燥しているので、太平洋側は乾燥した晴れの日が多くなります。
- 日本海側は、雪の日が多い
- 太平洋側は、乾燥した晴れの日が多い
千葉県は太平洋側なので、冬の北西の風は、冷たくて乾いた風として吹いてきます。
海陸風とは
海陸風とは、海岸の近くで、昼と夜で向きが変わる風のことです。

昼に海から陸へ吹く風を海風、夜に陸から海へ吹く風を陸風といいます。
どちらも、風の名前は「どこから吹いてくるか」でつけられています。
海風は海から吹く風、陸風は陸から吹く風です。
昼に海風が吹くしくみ
- 昼は、陸のほうが海よりも早くあたためられる
- 陸の上で空気があたためられて、上昇気流ができる
- 陸の上は気圧が低くなり、海の上のほうが気圧が高くなる
- 気圧の高い海から、気圧の低い陸へ向かって風が吹く(海風)
夜に陸風が吹くしくみ
- 夜は、陸のほうが海よりも早く冷える
- 海の上のほうが、陸の上よりも温度が高くなる
- 海の上で上昇気流ができて、海の上は気圧が低くなる
- 気圧の高い陸から、気圧の低い海へ向かって風が吹く(陸風)
季節風と同じで、「あたたまりやすい陸」と「あたたまりにくい海」の差が原因です。
朝と夕方は風がやむ
昼と夜で風が入れ替わるときには、陸と海の温度がほぼ同じになる時間があります。
このとき、気圧の差がなくなるので、風がほとんど吹かなくなります。
これを、朝なぎ・夕なぎといいます。
季節風と海陸風の違い
| 季節風 | 海陸風 | |
|---|---|---|
| 吹く場所 | 大陸と海洋のあいだ(広い範囲) | 海岸の近く(せまい範囲) |
| 向きが変わる周期 | 1年(夏と冬) | 1日(昼と夜) |
| 原因 | 大陸と海洋のあたたまり方の差 | 陸と海のあたたまり方の差 |
| 日本付近での向き | 冬は北西、夏は南東 | 昼は海から陸、夜は陸から海 |
よくある間違い
① 風向を、風が向かう方向で答えてしまう
「北西の風」は、北西から吹いてくる風です。
北西へ向かって吹く風だと思ってしまうと、冬と夏の向きが逆になります。
海風も同じで、海から吹いてくる風だから海風です。
② 冬は日本中で雪が降ると思ってしまう
冬に雪が多いのは、日本海側です。
太平洋側は、山を越えて乾燥した空気が吹き下りるので、晴れの日が多くなります。
「冬の北西の季節風」だけを覚えて、日本海側と太平洋側の違いを落とす人が毎年います。
③ 夏の季節風を、冬と同じ気団で答えてしまう
冬はシベリア気団で、夏は小笠原気団です。
気団の名前は、季節風の向きとセットで覚えましょう。
冬は大陸からなので冷たく乾燥、夏は海洋からなのであたたかくしめっている、と性質まで言えるようにしておくと安心です。
入試ではこう出る
季節風は、天気図を見せて「どの季節の天気図か」「このとき吹く風の向きは何か」と問われる形でよく出ます。
冬の天気図は、次のような特徴があります。

この天気図では、大陸側(西)に高気圧、日本の東の海上に低気圧があります。
このような気圧配置を、西高東低といいます。
日本付近では、等圧線が南北にのびて、間隔がせまくなっています。
等圧線の間隔がせまいところは、風が強く吹きます。
つまり、冬の天気図が出たら次の3点を探しましょう。
- 西に高気圧、東に低気圧がある(西高東低)
- 等圧線が縦にのびていて、間隔がせまい
- 風向は北西、日本海側が雪
海陸風は、「昼と夜のどちらの図か」と「風向」をセットで問われます。
理由を記述させる問題も多いので、「陸と海のどちらが先にあたたまる(冷える)か → 上昇気流ができるのはどちらか → 気圧が低いのはどちらか → 風はどう吹くか」と順番に書けるようにしておきましょう。
練習問題
問1(基本)
日本付近で、冬に吹く季節風の向きを答えなさい。
また、そのとき日本に流れ込む気団の名前を答えなさい。
問2(基本)
日本付近で、夏に流れ込む気団の名前を答えなさい。
また、その気団の性質を、「あたたかい」「冷たい」「乾燥」「しめっている」のうち2つ使って答えなさい。
問3(入試レベル)
冬の天気図で、日本の西に高気圧、東に低気圧があり、日本付近の等圧線が南北にのびて間隔がせまくなっていた。
(1) このような気圧配置を何というか。
(2) このとき、日本付近の風は強いか、弱いか。
(3) このとき、日本海側で雪が降りやすい理由を、「水蒸気」「山地」という語を使って書きなさい。
問4(入試レベル)
晴れた日の昼、海岸で海から陸に向かって風が吹いていた。
(1) この風の名前を答えなさい。
(2) 陸と海のうち、気圧が低いのはどちらか。
問5(記述)
夜に陸風が吹く理由を、「陸」「海」「上昇気流」という語を使って書きなさい。
解答と解説
問1の答え
答え: 北西の風、シベリア気団
考え方: 冬は大陸のほうが冷えて高気圧になり、大陸から海洋へ向かって風が吹きます。
日本から見て大陸は北西の側にあるので、北西の風になります。
大陸からくる気団は、冷たくて乾燥したシベリア気団です。
問2の答え
答え: 小笠原気団、あたたかい・しめっている
考え方: 夏は海洋(太平洋)から南東の風が吹き、太平洋上の気団が流れ込みます。
この気団は小笠原気団で、性質は「あたたかい」「しめっている」の2つです。
問3の答え
答え: (1) 西高東低 (2) 強い (3) 日本海上で空気が水蒸気を多く含み、それが山地にぶつかって上昇し、雲ができるから。
考え方: (1) 西に高気圧、東に低気圧という気圧配置が冬型で、西高東低といいます。
(2) 等圧線の間隔がせまいところは、気圧の差が大きく、風が強く吹きます。
(3) 冷たく乾燥した空気が日本海を渡るあいだに、海面から水蒸気を受け取ります。
その空気が山地にぶつかって上昇すると、冷やされて雲ができ、雪になります。
問4の答え
答え: (1) 海風 (2) 陸
考え方: 海から陸へ吹く風なので、海風です。
風は気圧の高いほうから低いほうへ吹くので、風の吹いていく先の陸のほうが、気圧が低くなっています。
昼は陸があたためられて上昇気流ができ、気圧が低くなっていることとも合っています。
問5の答え
答え: 夜は陸のほうが海よりも冷えやすいので、海の上の空気のほうがあたたかく、海の上で上昇気流ができて気圧が低くなる。
そのため、気圧の高い陸から、気圧の低い海へ向かって風が吹くから。
考え方: 昼の海風の反対です。
「冷えやすい陸」と「冷えにくい海」の差から書き始めると、順番に書けます。
採点では、「陸が先に冷える」「海の上で上昇気流ができる」「陸から海へ吹く」の3つが入っているかを見ます。
まとめ
- 季節風は、大陸と海洋のあたたまり方の差で吹く、1年で向きが変わる風。冬は北西、夏は南東
- 冬はシベリア気団(冷たく乾燥)、夏は小笠原気団(あたたかくしめっている)
- 冬は西高東低で、日本海側は雪、太平洋側は乾燥した晴れ
- 海陸風は、陸と海のあたたまり方の差で吹く、1日で向きが変わる風。昼は海風、夜は陸風
- 風は、気圧の高いほうから低いほうへ吹く。風向は吹いてくる方向で言う

















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