「呼吸」は習ったけど、「細胞の呼吸」ってなに?と思っていませんか?
- 肺で息を吸うのと、細胞の呼吸は何が違うの?
- 細胞の呼吸で、何を使って何が出てくるのか覚えられない…
- テストで「細胞の呼吸を説明しなさい」と出て、書けなかった…
こういう人に向けて書いています。
結論からいうと、細胞の呼吸とは、細胞が酸素を使って養分を分解し、生きるためのエネルギーを取り出すはたらきのことです。
このとき、二酸化炭素と水ができます。
この記事では、しくみ、よくある間違い、入試での出方、練習問題までを順番に解説します。
細胞の呼吸とは
細胞の呼吸(細胞呼吸)とは、体をつくっている1つ1つの細胞が、養分と酸素からエネルギーを取り出すはたらきです。
取り出したエネルギーは、体を動かしたり、体温を保ったり、体をつくったりするために使われます。
「呼吸」という言葉は、2つの意味で使われるので、先に整理しておきます。
| 言葉 | どこで何をするか |
|---|---|
| 呼吸(息をすること) | 肺で酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す |
| 細胞の呼吸 | 全身の細胞で、酸素を使って養分からエネルギーを取り出す |
肺の呼吸は、細胞の呼吸に必要な酸素を体の中に入れるための入り口です。
本当に酸素を使っているのは、全身の細胞のほうです。
細胞の呼吸のしくみ
細胞の中で何が起きているか
細胞の呼吸は、次の式で表せます。
養分(ブドウ糖など)+酸素 → 二酸化炭素+水+エネルギー
材料は養分と酸素の2つです。
できるものは二酸化炭素と水と、エネルギーの3つです。
養分は、食べ物が消化されて、小腸で吸収されたものです。
酸素は、肺で血液に取り入れられたものです。
この2つが血液にのって全身の細胞に届き、細胞の中で反応します。

物質の行き先
細胞でできた二酸化炭素は、血液にのって肺に運ばれ、息として体の外に出ます。
水は、血液にのってじん臓や肺に運ばれます。
じん臓では、不要なものといっしょに尿としてこし出されます。
肺では、水蒸気として息といっしょに出ていきます。
図を見ながら、「入ってくるもの」と「出ていくもの」を矢印の向きで確かめておくと、覚えやすくなります。
- 細胞に入るもの: 酸素(肺から)・養分(消化管から)
- 細胞から出るもの: 二酸化炭素(肺へ)・水(じん臓や肺へ)
細胞のどこで行われるか
細胞の呼吸は、細胞の中にあるミトコンドリアというつくりでおもに行われます。
ミトコンドリアは、植物の細胞にも動物の細胞にもあります。
学校では名前だけ出てくることが多いので、「細胞の呼吸を行う場所」とセットで覚えておけば十分です。

この図では、植物の細胞にも動物の細胞にも、ミトコンドリアが描かれています。
つまり、細胞の呼吸は動物だけのはたらきではありません。
よくある間違い
間違い① 植物は光合成だけをして、呼吸はしない
塾で毎年いちばん多い間違いが、これです。
植物も、昼も夜も細胞の呼吸をしています。
光合成は光が当たっているときだけですが、細胞の呼吸は生きている限りずっと続きます。
昼は、光合成で出入りする気体のほうが多いので、呼吸が目立たないだけです。
間違い② 呼吸で出るのは二酸化炭素だけ
細胞の呼吸では、二酸化炭素のほかに水もできます。
そして、いちばん大事なエネルギーを取り出すことが目的です。
「二酸化炭素と水とエネルギー」の3つをセットで覚えましょう。
間違い③ 呼吸は肺だけで行われる
肺は酸素を取り入れて、二酸化炭素を出す場所です。
エネルギーを取り出しているのは、全身の細胞です。
「肺での気体の出入り」と「細胞の呼吸」を分けて考えると、整理できます。
入試ではこう出る
入試では、細胞の呼吸は次のような形で問われます。
- 細胞の呼吸で、血管から細胞に入る物質と、細胞から血管に出る物質を答える
- 細胞の呼吸のはたらきを、「エネルギー」という言葉を使って記述する
- 運動すると呼吸数や脈拍が増える理由を、細胞の呼吸と結びつけて説明する
どの問題でも、答えのもとになるのは「酸素と養分を使って、エネルギーを取り出す」という1つの流れです。
とくに記述では、「何を使って」「何を取り出すか」の2つを必ず入れましょう。
練習問題
問1(基本)
細胞の呼吸で、養分と酸素からエネルギーを取り出すとき、エネルギーのほかにできる物質を2つ答えなさい。
問2(基本)
肺で取り入れた酸素は、何によって全身の細胞に運ばれますか。
問3(入試レベル)
「細胞の呼吸のしくみ」の最初の図で、血管から細胞に入る物質と、細胞から血管に出る物質を、それぞれすべて答えなさい。
問4(入試レベル)
次の文のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- ア 植物は、光合成だけを行い、細胞の呼吸は行わない。
- イ 植物は、夜だけ細胞の呼吸を行う。
- ウ 植物は、昼も夜も細胞の呼吸を行う。
- エ 動物の細胞は呼吸を行うが、植物の細胞は行わない。
問5(記述)
激しい運動をすると、呼吸数が増えるのはなぜですか。
「細胞」「酸素」という言葉を使って説明しなさい。
解答と解説
問1の答え
二酸化炭素、水
細胞の呼吸は、養分+酸素 → 二酸化炭素+水+エネルギー、と表せます。
エネルギーのほかにできるのは、二酸化炭素と水の2つです。
問2の答え
血液(赤血球)
肺の肺胞で血液に取り入れられた酸素は、赤血球によって全身に運ばれます。
問3の答え
入る物質: 酸素、養分 出る物質: 二酸化炭素、水
その図では、肺から来る酸素と、消化管から来る養分が、血液から細胞に入っています。
細胞からは、二酸化炭素と水が血液に出て、それぞれ肺、じん臓や肺へ向かっています。
問4の答え
ウ
植物も生きている限り、昼も夜も細胞の呼吸を行っています。
光合成は光が当たっているときだけ行われるので、アやイは間違いです。
エも、植物の細胞にミトコンドリアがあることから間違いだと分かります。
問5の答え
(例)全身の細胞が、運動のために多くのエネルギーを必要とするので、より多くの酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す必要があるから。
運動すると、筋肉の細胞でたくさんのエネルギーが使われます。
エネルギーを取り出すには酸素が必要なので、酸素の取り入れ量を増やすために呼吸数が増えます。
記述では、「細胞」「酸素」「エネルギー」の3つを入れると、必要な内容がそろいます。
まとめ
- 細胞の呼吸とは、細胞が酸素を使って養分を分解し、エネルギーを取り出すはたらき
- 養分+酸素 → 二酸化炭素+水+エネルギー
- 酸素は肺から、養分は消化管から、血液にのって細胞に届く
- 二酸化炭素は肺へ、水はじん臓や肺へ運ばれて、体の外に出る
- 細胞の呼吸は、ミトコンドリアでおもに行われる
- 植物も、昼も夜も細胞の呼吸を行っている
まずは「養分+酸素 → 二酸化炭素+水+エネルギー」の式を、何も見ずに書けるようにしてみてください。


















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