オームの法則の計算問題を見ると、こんなふうに感じることはありませんか。
- 電圧・電流・抵抗のどれを求めればいいか分からなくなる
- 公式はなんとなく覚えているのに、計算をまちがえる
- グラフから抵抗を求める問題になると、急に手が止まる
こういう人は少なくないと思います。
結論からいうと、オームの法則は「電流は電圧に比例する」という関係のことで、電圧〔V〕=抵抗〔Ω〕×電流〔A〕という1つの式を覚えれば、抵抗も電流も求められます。
この記事では、オームの法則の意味と公式の使い方を、グラフの読み取り方や入試での出され方までまとめます。
オームの法則とは
電熱線(抵抗)に加える電圧を大きくすると、流れる電流も大きくなります。
この「電流は電圧に比例する」という関係を、オームの法則といいます。
オームの法則という名前は、この関係を見つけたドイツの物理学者オームにちなんでいます。
電圧・電流・抵抗の関係は、次の1つの式で表せます。
電圧〔V〕=抵抗〔Ω〕×電流〔A〕
この式を変形すれば、電流や抵抗も求められます。
電熱線を複数つないだときの抵抗の求め方は、直列つなぎと並列つなぎで変わるので、別の単元で扱います。
オームの法則のしくみと計算のしかた
電圧・電流・抵抗の変形式
電圧〔V〕=抵抗〔Ω〕×電流〔A〕を変形すると、次の2つの式になります。
抵抗〔Ω〕=電圧〔V〕÷電流〔A〕
電流〔A〕=電圧〔V〕÷抵抗〔Ω〕
求めたいものが分からなくなったら、まず電圧〔V〕=抵抗〔Ω〕×電流〔A〕の形を思い浮かべて、そこから入れ替えます。
電圧と電流の関係をグラフにすると、抵抗との関係がよく分かります。

図のように、同じ電圧を加えても、電熱線bのほうが電熱線aより流れる電流が小さくなっています。
電流が流れにくいということは、抵抗が大きいということです。
グラフの傾きが急な電熱線ほど、少しの電圧で大きな電流が流れる、つまり抵抗が小さい電熱線だといえます。
覚え方のコツ
電圧〔V〕・抵抗〔R〕・電流〔I〕の3つの文字を、上にV、下にRとIを横に並べて書きます。
求めたい文字を指で隠すと、残った文字の並びがそのまま計算式になります。
Vを隠すと、RとIが横に並んで残るので「R×I」です。
RかIを隠すと、上にVだけが残るので「V÷もう一方の文字」です。
式を3つとも丸暗記するより、この並べ方を1つ覚えておくほうが、本番で思い出しやすくなります。
グラフから抵抗を求める
電圧と電流の関係のグラフは、原点を通る直線になります。
これは、電流が電圧に比例することを表しています。

図のように、グラフ上の1点を読み取り、電圧を電流で割れば抵抗が求められます。
電熱線Aは4.0V÷0.25A=16Ω、電熱線Bは4.0V÷0.40A=10Ωです。
測定した値には多少のばらつきが出るので、点を1つずつ折れ線でつながず、点が上下に均等に散らばるように直線を引きます。
読み取る点は、グラフの線上であれば原点に近い点でも遠い点でもかまいません。
よくある間違い
単位をそろえずに計算する
電流がmA(ミリアンペア)で与えられているのに、そのままΩにかけてしまうミスがよくあります。
例えば抵抗20Ωに500mAの電流が流れているとき、500×20=10000Vとしてしまうのは誤りです。
500mAは0.5Aなので、正しくは20×0.5=10Vです。
1000mA=1Aなので、計算する前に必ずAの単位にそろえます。
式を逆に使ってしまう
抵抗を求めるときに、電圧×電流をしてしまうミスもよくあります。
例えば6Vで0.3Aなら、6×0.3=1.8としてしまうのは誤りです。
抵抗〔Ω〕=電圧〔V〕÷電流〔A〕なので、正しくは6÷0.3=20Ωです。
電流は抵抗に比例すると思い込む
電流は電圧には比例しますが、抵抗には比例しません。
電圧が一定のとき、抵抗が大きいほど電流は小さくなります。
「比例」と「反比例」を混同しないようにします。
入試ではこう出る
入試では、公式に数字を当てはめるだけでなく、回路図やグラフを読み取らせる問題がよく出ます。

図のように、電圧計は抵抗器と並列に、電流計は抵抗器と直列につなぎます。
つなぎ方をまちがえると正しい値が測れないので、回路図を見て電圧計・電流計の位置を確認させる問題が出されます。
例えば、「電熱線Aと電熱線Bに同じ電圧を加えたとき、流れる電流を比べる」という実験の問題もよく出ます。
このとき、電流が大きいほうが抵抗の小さい電熱線だと判断できます。
また、グラフから抵抗を求めさせたり、電圧や電流の値を変えて計算させたりする問題もよく出ます。
グラフの縦軸や横軸の単位がmAになっていることもあるので、目盛りの単位を確認してから数字を読み取ります。
公式を覚えるだけでなく、グラフや回路図とセットで使えるようにしておくことが大切です。
練習問題
問1
抵抗10Ωの電熱線に3Vの電圧を加えた。
流れる電流は何Aか。
問2
抵抗20Ωの電熱線に0.5Aの電流を流したい。
必要な電圧は何Vか。
問3
電熱線Pに6.0Vの電圧を加えると、0.40Aの電流が流れた。
この電熱線Pの抵抗は何Ωか。
問4
抵抗24Ωの電熱線に600mAの電流を流したい。
必要な電圧は何Vか。
問5(記述)
電熱線の抵抗を半分にして、電圧は変えずに電流を流した。
流れる電流はどうなるか、理由も含めて説明しなさい。
問6
ある電熱線に8.0Vの電圧を加えたとき、流れた電流は0.20Aだった。
この電熱線の抵抗は何Ωか。
また、同じ電熱線に12Vの電圧を加えたとき、流れる電流は何Aか。
解答と解説
問1の解答
答え:0.3A
電流〔A〕=電圧〔V〕÷抵抗〔Ω〕なので、3〔V〕÷10〔Ω〕=0.3〔A〕です。
問2の解答
答え:10V
電圧〔V〕=抵抗〔Ω〕×電流〔A〕なので、20〔Ω〕×0.5〔A〕=10〔V〕です。
問3の解答
答え:15Ω
抵抗〔Ω〕=電圧〔V〕÷電流〔A〕なので、6.0〔V〕÷0.40〔A〕=15〔Ω〕です。
問4の解答
答え:14.4V
600mAは、1000mAで1Aなので0.6Aです。
電圧〔V〕=抵抗〔Ω〕×電流〔A〕なので、24〔Ω〕×0.6〔A〕=14.4〔V〕です。
問5の解答
答え:電流は2倍になる。
オームの法則より、電圧が一定のとき、電流は抵抗に反比例します。
抵抗が半分になると、電流はその逆の2倍になります。
問6の解答
答え:抵抗は40Ω、12Vのときの電流は0.3A
抵抗〔Ω〕=電圧〔V〕÷電流〔A〕なので、8.0〔V〕÷0.20〔A〕=40〔Ω〕です。
同じ電熱線は抵抗が変わらないので、電流〔A〕=電圧〔V〕÷抵抗〔Ω〕より、12〔V〕÷40〔Ω〕=0.3〔A〕です。
よくある質問
電圧計・電流計を逆につないだらどうなる?
正しい数値が読み取れず、針がほとんど動かなかったり、振り切れたりします。
電圧計は測りたい部分に並列に、電流計は直列につなぐ、という決まりを必ず守ります。
電圧が2倍になると、電流も2倍になる?
抵抗が変わらなければ、電流も2倍になります。
オームの法則より、電流は電圧に比例するからです。
グラフが直線にならないこともある?
豆電球のように、流れる電流によって温度が変わり、抵抗も変わる部品があります。
このような部品では、電圧と電流のグラフが直線にならないことがあります。
中学の計算問題で扱うのは、ほとんどが直線のグラフになる電熱線です。
まとめ
- オームの法則は「電流は電圧に比例する」という関係
- 電圧〔V〕=抵抗〔Ω〕×電流〔A〕を覚えれば、抵抗や電流も求められる
- 計算の前に、単位をAにそろえる
- 電流は電圧に比例し、抵抗には反比例する
- 入試では回路図・グラフとセットで出題される
















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