内申点は実際どう分布しているのか。オール3は真ん中ではない

こんにちは! 高校受験ラボ・進学塾リードアップ代表の山田優輔です!

「内申点はオール3だから、まあ真ん中くらいだろう」と考えている人がいたら、それは違います。千葉県教育委員会が公表している令和8年度(2026年度入学)の評定分布データを見ると、9教科のどれをとっても、評定4と5を合わせた人数のほうが、評定3の人数より多くなっています。つまり、9教科すべてで「3」を取ると、実はどの教科でも県内の多数派より下にいることになります。この記事では、県内公立中学校363校ぶんの評定分布を、教科別・地域別に具体的な数字で見ていきます。

この記事で使う「内申点」の意味

ここでいう内申点とは、通知表と同じ1〜5の5段階評価(評定)のことです。中学3年生は9教科(国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術家庭・外国語)それぞれに評定がつき、その合計(満点135点)に高校ごとのK値(調査書点にかける係数。0.5〜2.0の範囲で学校が学科ごとに決める)をかけたものが、入試で使われる調査書点になります。K値の仕組みは「K値とは何か。同じ内申点でも高校によって点数が変わる仕組み」で解説しています。

今回紹介する数値は、千葉県教育委員会が公表している「令和8年度千葉県公立高等学校入学者選抜における調査書の第3学年の評定に係る調査結果」がもとになっています。対象は県内公立中学校363校の中学3年生、時点は12月末です。

9教科すべてで評定3が最も多い。ただし山の高さは教科でバラバラ

県全体の評定分布(%)は次の通りです。

教科 5 4 3 2 1
国語 23.3 21.5 43.5 8.2 3.5
社会 29.7 21.2 36.8 8.6 3.8
数学 26.7 21.4 35.1 12.8 4.0
理科 26.2 21.3 39.7 9.1 3.7
音楽 27.0 28.1 37.6 3.3 4.1
美術 24.0 30.5 38.4 3.1 4.0
保健体育 25.1 27.6 40.0 3.3 4.1
技術・家庭 24.2 28.2 39.9 4.1 3.6
外国語 27.1 18.1 39.7 11.4 3.8

たしかにどの教科も「3」が最も多い評定です。ただし、山の高さと形は教科によって違います。国語は5が23.3%・3が43.5%で、5と3の差が20ポイントある一方、社会は5が29.7%・3が36.8%で差は7ポイントしかありません。美術は4が30.5%と、実技教科の中でもとくに4に集まる形をしています。技術・家庭も4が28.2%で、3の39.9%に次いで多く、実技系の教科は「3か4」に人数が集中する傾向が見えます。

数学は2が12.8%・外国語は2が11.4%と、主要教科のほうが低い評定の割合も大きくなっています。同じ「評定3」でも、教科によって周りにいる人数のばらつき方が違うということです。

オール3は真ん中ではない

ここが本題です。上の表の評定4と5を足した割合(4以上)と、評定3の割合を比べてみます。

教科 4以上 3 2以下
国語 44.8% 43.5% 11.7%
社会 50.9% 36.8% 12.4%
数学 48.1% 35.1% 16.8%
理科 47.5% 39.7% 12.8%
音楽 55.1% 37.6% 7.4%
美術 54.5% 38.4% 7.1%
保健体育 52.7% 40.0% 7.4%
技術・家庭 52.4% 39.9% 7.7%
外国語 45.2% 39.7% 15.2%

9教科すべてで、「4以上」の割合が「3」の割合を上回っています(ただし国語は44.8%と43.5%で僅差です)。音楽・美術・保健体育・技術・家庭のような実技教科では、4以上が5割を超えています。つまり、これらの教科で「3」を取っている生徒は、単純な人数比で見ると、県内では少数派の側にいることになります。「9教科オール3」は一見きりのいい数字に見えますが、この分布を見るかぎり、それは「県内のちょうど真ん中」を意味する数字ではない、ということです。

逆にいえば、評定3から4へ上げることの価値は、教科によって違います。すでに4以上が過半数を占めている実技教科で3から4に上がっても、周囲との差はあまり縮まりません。一方、2以下が1割を超えている国語・社会・数学・理科・外国語は、3から4に上がることの相対的な意味が大きくなります。

地域によっても分布は違う – 国語の例

千葉県教育委員会は、県全体の集計に加えて、6つの教育事務所管内(千葉市教育委員会管内・東上総・北総・葛南・南房総・東葛飾)ごとの分布も公表しています。国語の評定分布を管内別に見ると、次のようになります。

管内 学校数 5 4 3 2 1
千葉市教育委員会管内 55校 23.6 20.9 46.6 6.5 2.4
東上総教育事務所管内 33校 20.0 23.7 43.5 8.9 3.9
北総教育事務所管内 72校 22.9 21.6 44.8 7.9 2.9
葛南教育事務所管内 69校 23.8 21.3 43.2 8.5 3.3
南房総教育事務所管内 60校 20.9 21.0 45.0 9.2 4.0
東葛飾教育事務所管内 74校 24.9 21.5 40.4 8.6 4.5

東葛飾管内は評定5が24.9%で6管内中もっとも多く、評定3は40.4%で6管内中もっとも低くなっています。反対に千葉市教育委員会管内は評定3が46.6%と最も高く、評定の集まり方がもっとも「3」に寄っています。評定2以下の合計で見ると、南房総管内が13.2%(9.2%+4.0%)でもっとも高く、千葉市教育委員会管内が8.9%(6.5%+2.4%)でもっとも低くなっています。同じ国語の評定でも、住んでいる地域によって「まわりの分布」が違うということです。

これは、どの管内の中学生が優秀かという話ではありません。管内ごとの学校数も33校から74校までばらつきがあり、363校全体を6つに割った集計にすぎません。あくまで「自分の評定が、自分の住む管内の中でどのあたりにあるか」を確認するための材料として見てください。

では自分はどうすればいいか

自分の内申点(評定)が県内でどのあたりに位置するかを大まかにでも知っておくと、これから評定をどの教科でどれだけ上げるべきかの優先順位が立てやすくなります。特に、2以下の割合が1割を超えている国語・社会・数学・理科・外国語は、評定を1段階上げることの相対的な価値が大きい教科です。

そのうえで、自分の評定合計にどのK値がかかるかは志望校によってまったく違います。志望校のK値は「千葉県の公立高校を条件でしぼる|学区・学校設定検査・K値」のページで確認できます。まずは自分の内申点が9教科でどう分布しているかを通知表で確認し、そのうえで志望校のK値を調べるところから始めてください。

出典

  • 千葉県教育委員会「令和8年度千葉県公立高等学校入学者選抜における調査書の第3学年の評定に係る調査結果の概要」(県全体集計・調査対象363校)
    URL: https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r8/documents/r8tyousagaiyou.pdf
    取得日: 2026年9月9日
  • 千葉県教育委員会「学習成績分布一覧」(千葉市教育委員会管内)
    URL: https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r8/documents/1r8chibagakusyu.pdf
    取得日: 2026年9月9日
  • 千葉県教育委員会「学習成績分布一覧」(東上総教育事務所管内)
    URL: https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r8/documents/1r8higashigakusyu.pdf
    取得日: 2026年9月9日
  • 千葉県教育委員会「学習成績分布一覧」(北総教育事務所管内)
    URL: https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r8/documents/1r8hokusogakusyu.pdf
    取得日: 2026年9月9日
  • 千葉県教育委員会「学習成績分布一覧」(葛南教育事務所管内)
    URL: https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r8/documents/1r8katunangakusyu.pdf
    取得日: 2026年9月9日
  • 千葉県教育委員会「学習成績分布一覧」(南房総教育事務所管内)
    URL: https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r8/documents/1r8minamigakusyu.pdf
    取得日: 2026年9月9日
  • 千葉県教育委員会「学習成績分布一覧」(東葛飾教育事務所管内)
    URL: https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r8/documents/1r8tokatugakusyu.pdf
    取得日: 2026年9月9日

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