倍率は毎年同じではない。5回分で見る「倍率が大きく変わる高校」と「あまり変わらない高校」

こんにちは! 高校受験ラボ・進学塾リードアップ代表の山田優輔です!

千葉県公立高校の「志願倍率」は、1年分だけ見ていると「今年は低かったから安全」「去年は高かったから危ない」と思い込みやすい数字です。

しかし、直近で数字がそろう令和3・5・6・7・8年度の5回分を学校ごとに並べてみると、5回とも1.0倍を下回り続けた学校は13校、5回とも1.3倍以上を保ち続けた学校は9校しかありません。

残りの多くの学校では、1.0倍を挟んで数字が年によって上下しています。

「去年の倍率」だけで志望校の込み具合を判断するのは、思っているより危ういということです。

この記事で使う「倍率」について

ここで扱う倍率は、千葉県教育委員会が発表する「一般入学者選抜等の志願者確定数」をもとにした志願倍率です。

出願を締め切ったあと確定した志願者数を、募集人員で割った数字で、学力検査を受ける前の、出願の込み具合を示します。

受験者数と合格者数から計算する実質倍率とは別の数字です。

志願倍率と実質倍率の違いは別の記事で詳しく説明しているので、まだの方はそちらを先にどうぞ。

年度をまたいで比較するときは同じ種類の倍率でそろえる必要があるため、このコラムでは5回とも「確定志願倍率」で統一しています。

もう1点。

令和4年度(2022年2月実施)の資料は、今回使っているデータには含まれていません。

令和3・5・6・7・8年度の5回分で見ている、という前提で読んでください。

「5年連続」ではなく「5回分」です。

5回分そろうのは118校中112校

全日制一般入学者選抜を行う118校のうち、学科の新設や再編がなく5回分の数字がそのままそろう学校は112校です。

残り6校(匝瑳・成東・長生・君津青葉・袖ヶ浦・京葉)は、普通科と理数科をまとめた学科ができたり、学科そのものが新設・廃止されたりしていて、今の学科のまま5回分を比べることができません。

たとえば京葉は普通科こそ5回分そろいますが、園芸科は令和3年度の1回分しか資料がなく、学校単位でこの集計からは外しています。

以下の数字は、この112校を対象にしています。

常に1.0倍を下回り続けた13校

112校のうち、5回とも1.0倍を下回り続けている、つまり定員割れが続いている学校は13校です。

学校学科5回の倍率(最小〜最大)
船橋北普通科0.59〜0.94倍
浦安南普通科0.34〜0.73倍
沼南普通科0.34〜0.67倍
関宿普通科0.24〜0.69倍
下総園芸科・情報処理科・自動車科0.28〜0.78倍
小見川普通科0.82〜0.93倍
多古園芸科・普通科0.43〜0.83倍
東金商業商業科・情報処理科0.77〜0.88倍
九十九里普通科0.22〜0.40倍
大多喜普通科0.71〜0.92倍
大原総合学科0.59〜0.69倍
安房拓心総合学科0.73〜0.96倍
館山総合商業科・家政科・工業科・海洋科0.18〜0.83倍

いずれも5回を通じて1.0倍に届いていません。

地域や学科の特性もありますが、この13校については、倍率が1.0倍を下回ること自体が「今年はたまたま」ではなく「例年どおり」だと分かります。

常に1.3倍以上を保ち続けた9校

反対に、5回とも1.3倍以上をキープしているのは9校です。

学校学科5回の倍率(最小〜最大)
千葉普通科1.35〜1.58倍
千葉東普通科1.31〜1.40倍
幕張総合看護科・総合学科1.35〜1.65倍
船橋普通科・理数科1.63〜2.20倍
船橋東普通科1.30〜1.59倍
小金総合学科1.51〜1.87倍
東葛飾普通科1.82〜2.05倍
柏南普通科1.43〜1.54倍
市立千葉普通科・理数科1.49〜1.85倍

顔ぶれを見ると、千葉・千葉東・船橋・東葛飾・市立千葉など、学区内で志願者の多い学校が並びます。

倍率が高いこと自体に目新しさはありませんが、5回とも1.3倍を割ったことがない、という安定のしかたです。

倍率が大きく変わる学校のほうが多い

112校から、常に1.0倍未満の13校と、常に1.3倍以上の9校を除くと、残りの学校のほうがずっと多く残ります。

このうち31校は、1.0倍を一度も下回らないまま、かといって1.3倍にも届かずに、1.0倍台で推移しています。

そして、それ以外の学校――5回のうちどこかで1.0倍をまたいだ(ある年は1.0倍未満、別の年は1.0倍以上になった)学校が、4つのグループの中で最も多いパターンになります。

「去年1.0倍を切っていたから今年も大丈夫」が通用しない学校のほうが、通用する学校(常に1.0倍未満の13校)よりずっと多いということです。

振れ幅の大きい例を4つ見てみます。

学校・学科令和3令和5令和6令和7令和8
八千代西・普通科1.14倍0.62倍0.47倍0.41倍0.76倍
京葉工業・建設科1.25倍0.85倍0.90倍1.25倍0.53倍
旭農業・園芸科0.98倍1.13倍0.70倍0.58倍0.43倍
船橋豊富・普通科0.76倍0.36倍0.39倍0.35倍1.01倍

八千代西と船橋豊富は、この5回の間に募集定員そのものも減っています。

定員が減れば、志願者数が同じでも倍率は上がるので、この2校の振れ幅には定員減の影響も混ざっています。

定員減が倍率にどう効くかは別の記事で扱っているので、ここでは触れません。

一方、京葉工業の建設科と旭農業の園芸科は、5回とも募集定員40人のまま変わっていません。

つまりこの2つの学科の倍率の上がり下がりは、定員ではなく志願者数そのものの増減をそのまま映しています。

京葉工業の建設科は志願者21人から50人まで、旭農業の園芸科は17人から45人まで、年によって2倍以上の開きがあります。

次にすること

志望校を選ぶときに見るべきなのは、直近1年の倍率ではなく、ここ数回の移り変わりです。

自分の志望校がこの5回でどう変わってきたかは、千葉県の公立高校を条件でしぼるページから学校を探し、その学校の個別ページで確認してください(例として八千代西高等学校のページには、ここで使った5回分の倍率の表を載せています)。

出典

自分の志望校の
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