こんにちは! 高校受験ラボ・進学塾リードアップ代表の山田優輔です!
結論から言います。私立高校の推薦入試には「単願(専願)」と「併願」の2つがあります。単願は合格したら必ず入学する約束の出願方法、併願は合格しても入学を確約しない出願方法です。併願なら、公立高校を第一志望にしたまま、私立の合格を先に確保しておけます。ただし多くの学校で、併願の基準は単願より内申点で高く設定されています。今回、千葉県内の私立高校35校の推薦基準を確認したところ、数値で公表していたのは27校、公表していなかったのは8校でした。
単願と併願、何が違うのか
「単願」は学校によって「専願」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。推薦で合格したら、必ずその学校に入学することを約束したうえで出願します。学校側からすると「合格を出せば必ず来てくれる生徒」なので、内申の基準を併願より低めに設定している学校が目立ちます。
一方の「併願」は、推薦で合格しても入学を確約しません。公立高校の結果が出るまで待ってから、私立に入学するか公立に進むかを決められます。学校側は「合格を出しても来ないかもしれない生徒」を受け入れることになるため、単願より高い基準を求める学校が多くなります。
35校のうち、点数で比べられるのは24校
今回確認した35校のうち、募集要項や公式サイトで推薦基準を数値で公表していたのは27校、公表していなかったのは8校でした(27+8=35)。ただし、この27校がそのまま「点数で比べられる27校」ではありません。27校のうち成田高校・鴨川令徳高校・明聖高校の3校は、推薦の制度自体はあるものの内申の具体的な数値基準を公表していない状態で、基準が書かれていない以上は比べようがありません。この3校を除くと、単願・併願を数値で比較できる学校は24校になります(27-3=24)。
「非公表」とひとくくりにしがちですが、意味が違う2種類があることに注意してください。ひとつは、推薦基準という情報そのものを学校が公開していない8校(後述)。もうひとつは、推薦の制度はあるけれど点数の基準そのものは示していない3校です。たとえば明聖高校は「推薦入試への出願に関して、内申点や成績の条件は定めていません」と学校のページに明記しており、そもそも内申点を合否の判定に使わない方針を取っています。鴨川令徳高校も、出願の基準は「中学校を卒業見込み」「本校で学びたいという強い意志を持つ」の2つで、内申の数値は出てきません。成田高校も、内申の数値基準は募集要項に示していません。
併願のほうが基準が高いことが多い——24校の実例
数値で比較できる24校のうち、同じコース・同じ教科数で単願と併願の基準を並べられる学校の一部を挙げます(内申はすべて3年次の5段階評定の合計です)。
| 学校名 | コース | 教科数 | 単願 | 併願 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 桜林高校 | 特進コース | 5科 | 16 | 18 | +2 |
| 敬愛学園高校 | 特別進学コース | 5科 | 21 | 23 | +2 |
| 敬愛学園高校 | 進学コース | 5科 | 18 | 20 | +2 |
| 東京学館浦安高校 | 特別進学コース選抜 | 5科 | 23 | 24 | +1 |
| 東京学館浦安高校 | 国際教養コース | 9科 | 30 | 33 | +3 |
| 東京学館高校 | SEコース | 5科 | 23 | 23 | 0 |
表の中で東京学館高校のSEコースだけは、単願と併願で基準がまったく同じです。同じ東京学館高校のNRコースは単願より併願のほうが高いので、同じ学校のなかでもコースによって扱いが違う点には注意してください。「併願は必ず基準が高い」と決めつけず、志望するコースごとに募集要項を確認する必要があります。
我孫子二階堂高校も、総合コース(9科)で単願24点以上・併願27点以上という基準を示していますが、これは令和8年度(1つ上の学年が受けた入試)の募集要項によるものです。令和9年度版は執筆時点でまだ公表されていないため表には含めず、志望する場合は最新の募集要項で確認してください。
やや変わった仕組みの学校もあります。東葉高校は併願推薦という制度自体を実施していませんが、一般入試を併願で受けて内申の5教科合計が22以上あれば、合否判定のときに得点上の優遇を受けられます(単願推薦の基準は特進クラスで21以上)。「併願推薦」という名前の制度がなくても、実質的に内申を評価してもらえる仕組みがある場合があるということです。
入試相談は、いつ、何を決めているのか
私立高校の推薦入試の多くは、出願の前に中学校の先生と私立高校との間で行われる「入試相談」を経て進みます。中学校の先生が生徒の内申点や欠席日数などの資料を持って私立高校側に相談し、その結果しだいで「単願で出願できるか」「併願でどこまでの基準を満たせているか」がある程度事前にわかることが多い、という流れです。この入試相談の時期は、例年12月ごろが中心になります。
入試相談がどのくらい重視されているかは学校によって差があります。たとえば敬愛学園高校は、推薦入試には内申の数値基準を設けている一方、一般入試(特進・進学)については「評定の基準はありません(入試相談は必要)」と募集要項に明記しています。数値基準がない入試区分でも、入試相談そのものは必要になるということです。また東京学館浦安高校では、特別進学コース選抜を除く各コースで、入試相談の際に提示した内申で数学または英語の評定が5であれば加点する、と明記されており、相談の結果が加点に反映される例もあります。入試相談の具体的な流れは、あらためて別の記事で扱う予定です。ここでは「12月ごろに、単願・併願の基準を満たしているかがある程度わかる」という位置づけだけ押さえてください。
推薦基準を公表していない8校
今回確認した35校のうち、次の8校は募集要項や公式サイトで推薦基準の数値を公表していませんでした。流通経済大学付属柏高校、千葉経済大学附属高校、横芝敬愛高校、千葉英和高校、二松学舎大学附属柏高校、秀明大学学校教師学部附属秀明八千代高校、千葉明徳高校、芝浦工業大学柏高校です。
中身も一様ではなく、千葉英和高校は基準はあるが数値は公表せず事前の相談で判断する方式、芝浦工業大学柏高校はそもそも推薦入試自体を実施していません。これらの学校の推薦を考えている場合、数値の基準は中学校の先生か、通っている塾の先生に直接聞いてみてください。ホームページに載っていないからといって、基準がないわけではありません。
いつ何が決まるか
- 12月ごろ——中学校の先生と私立高校の間で入試相談が行われる。単願・併願どちらで出願できそうか、基準を満たしているかがある程度わかる
- 12月〜1月——私立高校の推薦入試(出願・試験・合格発表)が行われる
- 合格発表後——単願で合格した場合は、その学校への入学を確約する。併願で合格した場合は、入学を確約せず、公立高校の結果を待ってから進路を決められる
つまり併願推薦を使えば、公立高校の入試本番を、私立の合格をすでに確保した状態で迎えられます。
では自分はどうすればいいか
まず、自分の内申点(3年次の5段階評定の合計)を出したうえで、志望している私立高校の単願・併願それぞれの基準と比べてください。併願の基準に届いていれば、公立高校を第一志望にしたまま、私立の合格を先に確保しておけます。加点が使える学校かどうかも、あわせて募集要項で確認してください。
今回のデータをもとにした私立高校の推薦基準チェッカーで、自分の内申点を入れて基準に届く高校を調べられます。千葉県内の私立高校の一覧は千葉県の私立高校 全61校一覧にまとめています。まずは自分の内申点を確認するところから始めてください。
出典
- 桜林高校 募集要項(R9) https://www.orin.ed.jp/cms/wp-content/uploads/2026/08/R9_guide.pdf 取得日: 2026年9月11日
- 敬愛学園高校 募集要項(R9) https://www.hs-keiai.ac.jp/media/R9boshuyoukou-2.pdf 取得日: 2026年9月10日
- 東京学館浦安高校 募集要項(R9) https://gakkan-urayasu.ed.jp/wp2026/wp-content/uploads/2026/08/20260831015738.pdf 取得日: 2026年9月14日
- 我孫子二階堂高校 募集要項(R8。令和9年度版は本記事執筆時点で未公表) https://www.abini.ed.jp/contents/wp-content/uploads/2025/10/8cff8eefe685dacea2ed47e8fc331f7e.pdf 取得日: 2026年9月14日
- 東京学館高校 出願要項 https://www.tokyogakkan.ed.jp/guidelines/ 取得日: 2026年9月9日
- 東葉高校 出願要項2027 https://toyohs.ed.jp/guidelines2027/ 取得日: 2026年9月11日
- 成田高校 募集要項(R8) https://www.narita.ac.jp/wp-content/uploads/2025/08/R7NH9.pdf 取得日: 2026年9月11日
- 鴨川令徳高校 出願資格 https://reitoku.ed.jp/requirements.html 取得日: 2026年9月9日
- 明聖高校 募集要項 https://www.meisei-hs.ac.jp/course/nakano_hs/boshuyoko/ 取得日: 2026年9月9日
※「27校」「8校」「24校」の集計は、私立高校35校を確認したデータファイル data/shiritsu_suisen.json(各校に個別の出典URLと取得日つき)にもとづきます。個別の学校の基準は、上記の推薦基準チェッカーから出典をたどれます。


